担当=牧眞司

没落の近未来で、正体不明の獣を追跡する〜倉田タカシ『タフな狩り』
2026年7月7日12:00

【今週はこれを読め! SF編】

没落の近未来で、正体不明の獣を追跡する〜倉田タカシ『タフな狩り』
 経済的にも思想的にも文化・学術・教育の環境においても、日本の没落は止まらない。倉田タカシの新作長篇『タフな狩り』は、その延長線上にある近未来ディストピアを舞台...
整時士の父、高次生命体と絡まった息子〜王城夕紀『バイ・タイム 整時士佐藤スバルの哀切』
2026年6月23日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

整時士の父、高次生命体と絡まった息子〜王城夕紀『バイ・タイム 整時士佐藤スバルの哀切』
 二年前、人類は地球外生命体とファーストコンタクトを果たした。といっても、古典的なSFで描かれてきたようなやりかたではなく、互いにとって衝突と表現したほうがいい...
魔都カイロで起こった三つの怪事件〜P・ジェリ・クラーク『カイロの死せる精霊(ジン)』
2026年6月16日11:45

【今週はこれを読め! SF編】

魔都カイロで起こった三つの怪事件〜P・ジェリ・クラーク『カイロの死せる精霊(ジン)』
 P・ジェリ・クラークは1971年生まれ。生誕地はニューヨークだが、すぐに両親の故郷トリニダード・トバゴへ移住。8歳でアメリカに戻ったのちは、スタテンアイランド...
〈血の伯爵夫人〉伝説をめぐるモダンホラー〜ジョン・ブラックバーン『痛苦の聖母』
2026年6月9日11:00

【今週はこれを読め! SF編】

〈血の伯爵夫人〉伝説をめぐるモダンホラー〜ジョン・ブラックバーン『痛苦の聖母』
 ジョン・ブラックバーンは、当欄のようなジャンル小説の書評枠では少々扱いにくい小説家だ。基本的には手練れのスリラー作家だが、作品によっては現実離れした(空想科学...
受賞作を集めた日本オリジナル短篇集〜ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』
2026年6月2日11:00

【今週はこれを読め! SF編】

受賞作を集めた日本オリジナル短篇集〜ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』
 ナオミ・クリッツァーは1999年から短篇を発表しはじめたというから、キャリアとしてベテランと言ってよかろう。2015年の「報酬は猫の写真で」(本書にも収録)が...
地獄絵の世界、終わりなき航海〜韓松『悪夢航路』
2026年5月26日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

地獄絵の世界、終わりなき航海〜韓松『悪夢航路』
 超弩級の不条理ディストピアSF《医院》三部作の、本書は二冊目にあたる。第一部『無限病院』とはテーマや雰囲気において連続性はあるが、ストーリーそのものは独立して...
仮想世界が実社会を侵蝕する、現代的なサタイア〜ナタン・ドゥヴェール『反世界【アンチモンド】』
2026年5月19日18:40

【今週はこれを読め! SF編】

仮想世界が実社会を侵蝕する、現代的なサタイア〜ナタン・ドゥヴェール『反世界【アンチモンド】』
 ナタン・ドゥヴェールはフランスの現代作家。2020年に小説家デビューし、22年刊行の本書『反世界(アンチモンド)』で、ゴンクール賞候補となった。原題は"Les...
潜水球、戦車、先史ロマンス〜H・G・ウェルズ『深海潜航』
2026年5月12日11:00

【今週はこれを読め! SF編】

潜水球、戦車、先史ロマンス〜H・G・ウェルズ『深海潜航』
 創元SF文庫では、すでに《ウェルズ傑作集》として『タイム・マシン』『世界最終戦争の夢』の二冊が刊行されており、本書は第三弾にあたる。といっても、前の二冊は初版...
1万6000年前、地球から送られた謎の宇宙通信〜林譲治『ゲノム・トーカー』
2026年5月5日11:15

【今週はこれを読め! SF編】

1万6000年前、地球から送られた謎の宇宙通信〜林譲治『ゲノム・トーカー』
 林譲治が得意とするファースト・コンタクトSFの新作長篇。作品ごとに独創的な異星人の生態・文化をハードSF(自然科学のみならず人文科学的にも)の強度で創造し、有...
政治的問題作から清々しい感動作まで〜ジョナサン・ストラーン編『星の海を駆ける 新世代スペース・オペラ傑作選』
2026年4月27日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

政治的問題作から清々しい感動作まで〜ジョナサン・ストラーン編『星の海を駆ける 新世代スペース・オペラ傑作選』
 腕利きのアンソロジストとして活躍中のジョナサン・ストラーンによる、現代スペース・オペラ傑作選。2010〜20年代に発表されたなかから、十四篇を選りすぐっている...