3月31日(土)
『炎のサッカー日誌&toto日誌 2001.3』
足の指から感覚がなくなって6時間。ついさっきまで、大粒の雪も降っていた。いくら防寒着を着込んでも、足元のコンクリートから伝わる冷気からは逃れることができない。
しかし、身体の震えは寒さからではなかった。
そう、我が浦和レッズが491日ぶりにJ1で勝利した、歓喜の身震いなのだ。
なーんて「Number」の文章みたいに格好つけてみたけれど、ようは大雪のなか何時間も待って、席を取り、鼻水を垂らし、何度も靴を脱いで足の指を揉みほぐし、持参した魔法瓶からコーヒーを飲んで、やたらにトイレに行き、クールな兄貴が一層クールになり、我が浦和レッズを応援しただけのこと。
お高くとまって、楽チンで試合を見られるのは記者席の人達だけだろう。ああ、記者パスが欲しい。けど、金を払わないで試合を見るなんて面白くもなんともないだろうなあ・・・とも思う。
とにかくこの日は寒かった。駒場スタジアムの脇に咲いている桜と舞い散る雪が、異様な違和感のなか、それでもきれいで心を打つ。うーん、今日は何だか妙に文学的な文章になってしまう。こんなんじゃ興奮のサッカー原稿が書けないじゃないか。
身体の冷たさを消し去り、熱い血液を全身に送り届けてくれたのは、またもや大将福田。そしてこの日、我が浦和レッズは数年ぶりに、素晴らしいサッカーを見せてくれたのである。苦労人土橋が攻守に渡りベストパフォーマンスを見せれば、ここのところ調子の悪かった石井までも復調する。両サイドの内館&路木も積極的に攻撃参加。全選手から勝ちたいという気持ちが伝わってくる。
こんな日のために僕は年間シートを買っているんだ。年間約30試合、いつこんな素晴らしいサッカーをするのかわからない。おまけに復活福田のゴール。だから全部行くしかない。浦和レッズの場合、こんな試合を見られるのは、totoに当たるより確率が低いような気がするけれど、それでもこんな試合を見られたら、人生のどんなことよりも幸せを感じてしまう。
福田の勝利インタビューを聞きながら、涙が止まらない。クールな兄貴も福田のアップが映っているオーロラビジョンを見つめながら手を叩いているし、隣にいる吉田さんは・・・。
また泣いているのか。
これだからレッズサポをやめられない。例え、雪でも家を飛び出し、狂人に見られても。
『toto日誌』
黄色い看板がすべてtoto売り場に見えてきた。宝くじ売り場のロトはもちろん、BOOKOFFの看板も、カメラ屋のDPEも、「注意」と工事を知らせる看板もみんなtotoに見えるのだ。その度にしばらく予想してしまって仕事にならないではないか。
<杉江の買い目>
浦和 VS 福岡 勝ち&負け(当)
市原 VS 柏 柏の勝ち(当)
東京V VS 清水 清水の勝ち(当)
磐田 VS F東京 磐田の勝ち(当)
名古屋 VS 横浜M 名古屋の勝ち(外)
C大阪 VS 鹿島 鹿島の勝ち(外)
神戸 VS G大阪 勝ち&負け(当)
広島 VS 札幌 札幌の勝ち(外)
山形 VS 水戸 山形の勝ち(当)
横浜C VS 大宮 大宮の勝ち(外)
甲府 VS 大分 大分の勝ち(当)
新潟 VS 川崎 川崎の勝ち(外)
鳥栖 VS 仙台 勝ち、分け、負け(当)
結果 13試合中的中8本
うーん、これだけ引き分けが出るといくら勝っても当たらない気がしてきた。というかこんな当たり前の買い方では、目指す1億円はとてもとても。それにしても穴狙いで買うなんてサッカーを知らないとしか思えないし、あんまりそれを狙い過ぎると目黒さんの競馬みたいなことになって大ケガしてしまいそう。
とにかく1度は当ててみたい。2等でも3等でもいいから僕は威張りたいんだ。こうなったらガンガン金をつぎ込むしかない。
試合後、こんな風に興奮していたら、クールな兄貴に一言言われる。
「おまえさあ、ずーっと当たらなくて年間何万円も使うなら、いつも高くて買えないって言っている指定席の年間シート買った方がいいんじゃない。そしたら今日も寒くないし。」
夢のない奴は嫌いだ。
収支 マイナス1200円
総計 マイナス1800円