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4月13日(金)

 昨日廻りきれなかった取次店K社へ直行。北赤羽駅から、とぼとぼと環状8号線沿いを歩いているといい感じの公園を見つける。目の前は荒川。身体が本調子じゃないことを言い訳にベンチでひと休み。ふっと看板を見上げると、なんとここから水上バスが出ているようで、浅草や品川やディズニーランドに行けるらしいのだ。今日みたいな陽気の日に船に乗るなんてさぞかし幸せだろうな…と一瞬、心がゆれる。

 サボりといえば、僕のサッカー観戦の相棒とおるは、カメラの営業をしつつ、いつもビジネスカバンのなかに海パンと水中眼鏡を忍ばせ、良いプールを見つけると、ざぶんと飛び込んでしまうとか。「ダイエットしないとね」とか訳のわからないことを言っているけれど、とにかくバレナイ秘訣は「室内プール」を選ぶことで、屋外だと思い切り日焼けをしてしまって困るらしい。

 あとは親友のS。こいつは建材商社の営業マンで、僕と同じようなルートをうろついているけれど、一時期漫画喫茶にはまってしまい、4時間も漫画を読んでいたつわもの。電話をすると「今日は『なにわ金融道』を全巻読破したぞ」と無意味に威張っていたもんだ。サッカー仲間のBもやっぱり営業で、伝説のサボりは山の手線を2周半してしまったとか…。

 うーん、こう書くとひどい社会人に見えるけれど、不思議なもんで、こいつらはみんな社内セールスナンバー1を誇る敏腕営業マンなのだ。社内で表彰されたりしているらしい。うーん、これが社会の謎というものなのか?

 さて、僕は…というと、レッズ観戦でサボろうが真面目に働こうが、何をしてもとりあえず社内セールスナンバー1に変りはない。なぜなら他に誰もいないから…。

 全然関係ないけど、一度あのセールス比較の棒グラフというのをやってみたい。壁に張り出されたグラフを見ながら、隣りの山下君(仮名)は、僕の2分の1か?と横目でチラチラ見つつ
「杉江さんセールスの秘訣を教えて下さい!」
「うーん、それはなあ、まずは挨拶だよ、ハハハ。」
なんて優越感に浸りながら、答えることを夢見ている。

 とここまで書いて気づいたこと。
 何もセールス比較で僕が勝つなんて決まっていないんだ。後から入った山下君に
「杉江さん、足引っ張るのもいい加減にして下さいよ、リストラ候補NO1って陰口叩かれてますよ。」
と言われて可能性もあるのだ。うーん、こっちの方がリアリティあるなあ。やっぱりセールス棒グラフなんてない方がいいんだ。