3月14日(水)
東京Y書店さんの隣に建っている新光証券でテレビの撮影をしていた。暴落し続ける株価の電光掲示板を前にして、それを見みつめるサラリーマンというよくあるニュース映像のようだ。僕も映ろうと思い、1万2千円を切った株価を眺め、呆然と苦悩と虚脱を一心に背負った素晴らしい表情を演じたつもりだったが、結局カメラのランプは光らないまま。ああ、残念。もちろん株なんてまったくわからないけれど。
銀座のK書店Yさんにtotoの1億円が当たって辞めちゃったのかと思ったと言われる。そんな簡単に当たりません、と悔し涙で訴える。そのYさん
「売れ筋の本を頼むでしょう。出版社に在庫が少ないものは、営業マンとかいろんな方法を使って、手に入れるよね。でも、そんなことをするから、町の小さな書店に本が行かなくなるのかな…て胸が痛むのよね。店の売上は確保しないといけないし、でも、全体に見ると良くないことなのかもとかいっぱい考えちゃうのよね。」と。
こんなことを書店さんに考えさせちゃいけないと僕は思う。出版社と取次店がどうにかする問題なんじゃないのか。
次の銀座F書店の隣にまたまた人だかりが出来ている。今度はドラマの撮影か、誰がいるんだ?と慌てて寄っていくとカメラはいない。単なる美容院の前で人がいるだけ。ということはこの外にいる十数人の人は、髪を切る順番を待っているのか。人気のあるカリスマ美容師でもいるのだろうか?そちら方面(おしゃれ方面ということ)にまったく関心のない僕にはわからない。
新橋、浜松町と営業し、最後は田町のT書店。僕が挨拶するなりKさんに
「杉江くんの本平積しているよ」と言われる。何だろうと思って平台を覗くと
『Goalへ 浦和レッズと小野伸二』小斎秀樹著(文芸春秋)。おぉ、それはもう読みました!なぜか会社に送られてきて、誰よりも先に奪い取ったのだ。まあ、他には誰も興味を示さなかったけれど。
僕は1章の我らがレッズ福田正博のコメントを読んだだけで、大泣きしてしまったほど。ものすごく良い本だ!
するとKさんがこの本も良く売れているんだよと次に教えてくれたのが
「オランダサッカー強さの秘密」糀正勝著(三省堂書店)こちらは知らなかったのですぐさま購入。おまけにその他2点も面白そうなサッカー本を教えてくれ、次回に買いますから取って置いて下さいとお願いする。
これだけ営業で廻っていても、知らない本がいっぱいある。こんな本が出ていたのかと驚くことも多く、もし今日Kさんに教えてもらえなかったら、このサッカー本も知らないまま絶版品切なんてことになっていたのかもしれない。Kさんに深く感謝。
しかしまたもやKさんにスカパーを薦められて悶絶する。いい加減根性を決めて入ろう。仕事なんて・・・。