4月20日(金)
5月号で完全踏破を報告した池袋のジュンク堂書店を訪問。副店長のTさんと「店員さんはきっと2万歩近く歩いているんじゃないか」と話す。そうなのだ、あれはただ、棚をひと通り見ただけで、お店で働いている人達は、あっちへ棚差し、こっちへ誘導とウロウロしているから僕の何倍も歩いているはずなのだ。
そう言えば、昨日訪問した横浜のM書店Yさんも「仕事で万歩計をつけていると2万歩越えるんだよ」と話していた。いやはや書店さんも肉体労働なのだ。
さて、ジュンク堂に話を戻して、Tさんに「最近面白い本ないですか?」と聞いたら大絶賛で薦められたのが『体の贈り物』レベッカ・ブラウン著、柴田元幸訳(マガジンハウス)だった。
Tさん曰く、「言葉にするとすごい陳腐になっちゃうし、うまく説明できないんだけど、とにかく帯と訳者あとがきどおりいい本なの。もし面白くなかったら私が責任取るから読んでみて」とのこと。読書眼のスルドイTさんがこれほど誉めるのもめずらしいのであわてて名物1階の集中レジにて購入。
早速帰りの電車のなかで読み出す。いきなりぶっとんだのは簡潔明瞭な文章力。柴田さんの訳がいいのかそれともこの著者がうまいのか、多分両方なんだろうけど、とにかくスゴイ。ひとつひとつの行ないを描いていくだけなのにその奥深さが伝わってくる。もちろん話の方も(エイズ患者のホームケアの話)悲しくて、切なくて、暖かくて心のなかにあるすべてを揺さぶられるような内容で、思わずいろんなことを考え込んでしまう。ほんと言葉にすると陳腐だなあ。でも、Tさんがあれほど絶賛する理由がよくわかった。
多くの人に読んで欲しい1冊。