WEB本の雑誌

8月21日(火)

 渋谷をうろついていると台風の影響で大雨となる。H書店を訪問するといつもと違って人影もまばら。担当のHさんは「仕事がはかどる、はかどる」と笑いつつ「これが続くと恐ろしい」と話す。

 書店員といっても棚に本を差して、発注するだけが仕事ではない。報告書やら企画書やら売上のチェックなどデスクワークもたくさんあって、日頃の業務のなかでこれをこなしていくのはとても大変だ。多くの書店員さんが家に持ち帰って仕事をしているのが現状で、サービス残業どころの話ではない。

 それでも楽しそうに仕事をしている書店員さんがたくさんいる。これはきれいごとではなく、本が好きで、それを読者に届けたいという想いであふれているからだ。

 最後に今日このHさんが話してくれた売り場の話を紹介。

「お盆の後半に血相を変えたお客さんがやってきたんですよ。本の交換なんですけど、それが『模倣犯』で、上・下巻を買ったつもりが上巻2冊買っちゃったんですって。上巻を読み終わって、さあ、これからってところでビックリしたらしいんです。もう気持ちが痛いほどわかるから、下巻を渡して早く読んでくださいって言っちゃいました。」