8月23日(木)
書店さんと酒を飲みつつ、考えていたのは、良い上司に恵まれるというのはとても幸せなことだなということだった。
S書店のMさんとTさんは、店長とアルバイトという関係だ。普通だったら少しは壁が出来たり、互いの不満が心の片隅あったりして、どこかぎこちなくなることが多い。酒の席でのあとに「本当は…」なんて互いが互いをけなすようなこともある。しかし、二人には何ら壁もなく、ただただ本心で言葉を交わし、時には真剣になり、時にはゲラゲラと大笑いしている。
Mさんとは古いつき合いなので、ものすごく仕事に対して厳しいことを僕は知っている。そしてその下についているTさんが本好きだから本屋でアルバイトをしているということを知っているし、Mさんの期待に応えようと頑張っているのも知っている。
店の売上の話になったとき、Mさんが一言つけ加えた。
「Tがいるから対前年100%なんて数字が残せるんだよ」
決してご機嫌取りではなく自然とこの言葉がこぼれてきたのである。アルバイトだろうと、正社員だろうと、とにかく一生懸命やっている人は数字を残し、そして、どんどん信頼を築いていく。
ああ、僕も浜本から信頼されるようにならないと…と深く反省して家路につく。