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8月25日(土)

『炎のサッカー日誌』

 死にたい…と思うときがある。こう書くと驚かれるかもしれないので早めに訂正しておくと、これは別に悲観的な意味ではなく、その逆の超楽観的希望として死にたくなるときがあるのだ。

 今日も我が浦和レッズとサンフレッチェ広島の戦いを勝利で終えたとき、僕は死にたくて仕方なかった。その理由は、もし輪廻転生というのがほんとにあって、すぐ人間として生まれ変われるのが決まっていて、そしてここが一番大事なところだけど、僕はサッカー選手として生まれ変われるのなら、いますぐ僕はそちらを選ぶ。

 もちろん浦和レッズの選手として真っ赤なユニフォームを着て、熱い、熱すぎるサポートを全身に受け、必死にボールを追い、勝利を決めるゴールを奪いたい。全身全霊で、サポーターにこたえたい。今のトゥットのように…。

 ああ、30歳にもなってこんな夢を見ている自分のバカバカしさに嫌気がさすが、ゴール裏の金属パイプに飛びつきながら本気で考えていたのだから仕方がない。もうひとつバカバカしさついでに書くと、実は、毎晩寝る前に「もしサッカー選手だったら…」という空想を思い描いてしばらくぼんやりしているのである。

 もし自分の人生がやり直せるなら、中学生に戻って顧問の先生とケンカせず、従順なサッカー選手として練習に励みたい。市の代表、地区の代表、そして県の代表に選ばれて…。もちろん練習していたとしてもそんな実力はなかっただろうけれど。


 レッズの選手に伝えたいことはただひとつ。
 僕のような馬鹿な想いもあるけれど、とにかく駒場スタジアムを埋める2万人近い人間がそれぞれ願いや想いを胸につめ、通っているのである。僕と一緒に観戦しているKさんやOさんにもきっと何かがある。だからこそ、本気で戦って欲しいのだ。そしてその先に優勝があるなら、僕らも選手も幸せじゃないか!僕らはみんな、今日みたいな「闘う」試合が見たいのだ。

 レッズが優勝するまで、死ねるか!