WEB本の雑誌

8月28日(火)

 久しぶりの書店を訪問したら、何だかこちらが恐縮してしまうほど暖かく迎えられ、訪問できなかった時間を大きく悔やむ。

 担当のMさんがこぼすのは新規店の難しさだ。ここは大手ナショナルチェーンの支店だけれど、1年ほど前にオープンしたばかりなので、なかなか本が入ってこない。出版社は不況で刷り部数を抑える傾向が非常に強いので、実績のないお店(新規店だから当たり前なんだけど…)には本を廻せない。

 しかし、お客さんはやってくる。大手のブランド力もあるし、立地も坪数も相当なお店なので期待度は高い。ところが本はやって来ない。仕方がないから別の版元の本を売る。でも、これだけの書店なのにとある大手出版社の本がない…というのは、大変な問題だ。

「いくら言っても、データを見せても変わらない。営業マンに話をしても全然わかってもらえない。これだったら営業なんて何のためにいるの?」

 Mさんはとてもやる気のある書店員である。そのやる気を削いでいるのが出版社だとしたら、とても哀しいことだ。