10月24日(水)
営業を終え、すぐさま神宮球場へ向かう。
我が愛すべきヤクルトスワローズ対大阪近鉄バッファローズの日本シリーズ第4戦を見るためだ。
どうも、社内に「僕が直帰するときはサッカー観戦」という勝手な解釈が生まれており、何だか納得がいかない。僕だって真面目に働いているときがあって、定時以降に営業しているときもある!と声を大にして言いたい。が、しかし、まあ現実として直帰3回のうち1回の割合でサッカーなだけに強く言えない。
こういう生活(仕事の仕方)をしていると、周りの人からそれで平気なのか?と聞かれるが、会社生活は第一印象が大事なので、初めからそういう人間だと思われれば勝ちだと思う。これから就職する人には是非知って欲しい真実。
僕は前の会社でも同じような生活をしていて、あの頃はもっと平日の試合が多かっただけに、水曜日はほとんど直帰していた。そういう人間だと思われれば意外と許される。おまけにオリンピック代表の試合などは時差の関係で平日の昼間にあって、上司のHさんを涙目になって見つめていた。するとHさんは「いいよ、秋葉原にでも行って街頭のテレビを見てこいよ」と言ってくれたりした。
その頃、僕はまだ世の中が全然見えていなかったので、何て優しい人がいるんだと感激したが、その後会社に戻ると山のように仕事を渡され、またとんでもない出張に行かされもした。飴とムチがワンセットだということをそのとき初めて知った。これもこれから就職する方に知って欲しいもうひとつの真実。
まあ、そんな生活をしていても、いくらか良心というものが残っていて、直帰→スポーツ観戦ということに少しだけ罪を感じる。今日も一度会社に戻って、神宮球場に向かおうか…とかなり悩んだ。そのことを事務の浜田に言ったところ
「いいですよ、そんなこと気にしなくて。6時までしっかり営業すれば一緒ですから!」
と信じられないくらい優しい言葉をかけられた。思わず涙。ところがもう一言付け足される。
「まあ、杉江さんが会社にいてもいなくても一緒ですから…。」
こんな人間は会社にあまり必要とされない…というのも、これから就職する人に知って欲しい真実である。