●担当者●八重洲ブックセンター京急上大岡店 平井真実

2022年4月28日更新

『霧越邸殺人事件』綾辻行人

 家の前の小高い山の上に突如館が出現した。小説の一節ではなく、先日体験した現実の出来事である。残業して帰ってきた夜、疲れたなと思いながらあと少しで家に着くタイミングでふと空を見上げた時、見たこともない... 記事を見る »
2022年3月25日更新

『『その他の外国文学』の翻訳者』白水社編集部

 なにか自分に残ることがしたいと思いたって通い始めた語学学校。こちらにも以前記したが、11月の1か月間で文字の基本を集中して教わり、絶対読めないと思っていた文字が少しずつ読めるようになったのが楽しくな... 記事を見る »
2022年2月24日更新

『ミッドナイト・ライブラリー』マット・ヘイグ

 ここ最近まっすぐに楽しさだけを追い求めていた10代20代だったころには考えなかったようなことを、ふと考えるようになった。仕事で疲弊し、化粧も落とさずベッドにもたどり着けず朝起きたら床で寝ており、何も... 記事を見る »
2022年1月27日更新

『風景の石 パエジナ』山田英春

 年末になるとたいがい内容を忘れてしまうのだが、元日に1年の目標を決めてその年に使う手帳に箇条書きで羅列している。達成できるか否かはさておき、前の年の後悔は前の年に置いてきて、新たな気持ちで書くことが... 記事を見る »
2021年12月23日更新

『これが鳥獣戯画でござる』結城昌子

 2021年もあっという間に最後の月になり、毎日クリスマスのプレゼント包装に追われている。毎年こんなにも多くの人がプレゼントに本を選んでいることに驚きを覚える。子供の頃にサンタさんから絵本や小説、コミ... 記事を見る »
2021年11月25日更新

『おちゃめなふたご』ブライトン

 何年かぶりに学校に通うことにした。といっても、週一回の語学学校である。ここ数年、家と会社の行き来だけで鬱々とした日々が続き、せめてこれから先の人生を通して一つ何か続けることを見つけたかったのもあった... 記事を見る »
2021年10月28日更新

『探検!東京国立博物館』藤森照信、山口晃

 たった一回だけ見ただけなのに、ずっと心に残り忘れられないものって皆さんにもあるだろうか。記憶し続けることがものすごく苦手な私にも、不思議なことにいくつかある。例えばダ・ヴィンチの「荒野の聖ヒエロニム... 記事を見る »
2021年9月23日更新

『夜行バスで出かけましょう』小川かりん

 先日上野の東京国立博物館に、奈良聖林寺の国宝十一面観音菩薩像がいらっしゃったので何年かぶりにお会いしてきた。展示室に入った瞬間にどどんっといきなり主役の登場で、いろいろ寺宝などを見てから最後の部屋に... 記事を見る »
2021年8月26日更新

『変な家』雨穴

 日常の足として使っていた自転車と原付が同時に壊れてしまった。電化製品が同時に壊れることは聞いたことがあるが、こんなことある?と思いつつ、さてどうしようかと困ってしまった。自宅から最寄りの駅まで徒歩だ... 記事を見る »
2021年7月22日更新

『秘密《異形コレクションLI 》』井上雅彦:監修

 ちょっと待って、なんで私この本を知らなかったの?と平台の前で思わず声を出してしまった。  さかのぼること2日前、とあるSNSで一方的にフォローしている女性が呟いていた『仕事が忙しくて書店に行けなかっ... 記事を見る »
2021年6月24日更新

『見仏記 道草篇』いとうせいこう、みうらじゅん

仏像が好きだ。一時期『仏女』という言葉が流行したけれど、まさに私も仏女である。信仰や思想としての仏像というより、見るとホッとする、あの仏像はグッとくる、イケメン、かわいいなど美術鑑賞としての仏像とも違... 記事を見る »
2021年5月27日更新

『一度きりの大泉の話』萩尾望都

 まさか本の雑誌から連載の話をいただくとは、母が定期購読をしており毎月届いて楽しそうに読んでいるのをみながら、早く回ってこないかなあとワクワクしながら待っていた時間を思い出します。  こんにちは、そし... 記事を見る »
八重洲ブックセンター京急上大岡店 平井真実
八重洲ブックセンター京急上大岡店 平井真実
サガンと萩尾望都好きの母の影響で、幼少期から本に囲まれすくすく育つ。読書は雑食。読書以外の趣味は見仏と音楽鑑賞、ライブ参戦。東大寺法華堂と阿倍文殊院が好き。いつか見仏記のお二人にばったり境内で出会うのが夢。