1月29日(月)
会社に着いて早々、椎名誠事務所の大西さんから「男手が必要なんで、杉江さんお願い!」と言われる。いったい何が始まるのかとあわてて外に出てみると、いきなりスコップを手渡される。おぉ、雪かきなのだ。僕は雪とか台風とか雷とか、とにかくそういう天変地異的なことに逆上してしまうアホな性格なので、いつもの営業以上に、ガリガリ、ゴリゴリ、精を出す。
しばらくすると、本の雑誌社、椎名誠事務所の面々が一丸となって雪かき作業となった。事務の浜田はお湯を運び、経理の小林はうれしそうにホースで水をまいている。うーん、こんな夢中に雪かきをしていていいのだろうか?いったいこの間に社内にかかってきた電話はどうするんだろう?と一瞬だけ社会人の頭になって疑問を持つ。しかし社会人とはいえ、その前に人間だから仕方ない。みんなで楽しい雪かきを続ける。
30分ほどして、やっとアスファルトが顔を出し、一段落。本の雑誌社は坂道に建っているため、凍りついた雪は、会社の前を歩く歩行者にとって非常に危険だったのだ。良かった、良かったと腰を押さえつつ、日常業務に戻る。
今日から発行人の浜本が入院。
病気というような病気ではないけれど、一応手術をするので2週間は現場復帰をできない。これは困った。
もしこのようなときに、狂眼男が社内に乱入し、「責任者よ、出て来い!」と怒鳴られた場合いったいどうしたらいいのだろうか?運良く(狂眼男にとっては非常に運悪く)編集長の椎名がいれば、そのまま格闘方面へ連れ出してもらえるから良いけれど、取材や旅の多い仕事のためそうそうタイミング良くいるわけもない。
本の雑誌社には発行人と編集長しか社内的な階級がなく、年次でいくと単行本編集の金子が一番上。しかしその金子も狂眼だけど、それはただ仕事の撲殺されているだけで、文字通りの狂った眼をしているだけ。性格はいたって温厚。続く僕にしても、編集補助の渡辺にしても、争いごとは好まない。うーん、困った。
そうだ、顧問となった目黒さんがいたのだ!
もし、狂眼男が乱入してきたら「まあまあ」と言いつつ、とにかく4階に連れ込み、目黒さんを紹介すればいいんだ。きっとぐっすり寝息を立てているであろうけど、「すごい新刊が出ましたよ!」と一声かければ目を覚ますはずだ。その後のことは、目黒さんに任せよう。
社内にそのことを通達し、安心して営業に飛び出す。J出版社のTさんと会い、有意義な話を聞く。ありがたい限り。