2月22日(木)
御茶ノ水のM書店さんを訪問したら、顔馴染みの営業マン平凡社のFさんにバッタリ。Fさんとは、とある書店さんの飲み会で知り合ったが、競馬好きで、かつて厩舎で働いたこともあるとても魅力的な人で、会話も面白く、知識も豊富。僕が尊敬している営業マンのひとりだ。
開口一番Fさんが、「読んでますよ、炎の営業日誌。相変わらず、ひとり営業会議で自問自答しているんですか?」と笑われる。読まなくていいのになあ…。
営業マンただひとりの会社。それでもやっぱり会社なら会議くらいしたい。「そうじゃない!」とか「こうしよう!」と血気盛んな話し合いが僕もしたいのだ。しかし、相手がいない。
というわけで始まったのがひとり営業会議。名付けて「自問自答会議」なのである。これには一応上司役と部下役があって、その両方を僕自身が心の中で演じる。漫画でよくある天使と悪魔の戦いのように。
「杉江、こんな売上でどうする?もっとできるだろう」
「いや、部長、僕一人じゃこれが限界ですよ、営業マンを増やすとかそういう対応はできないでしょうか?」
「そんなことはない!君の好きな中田英寿だって毎日練習のなかで、少しづつ限界を広げ、今セリエAで活躍しているわけだろう。君は自分で自分の限界を作っているんだ。」
「無理ですよ…。」
「とにかく来月の売上は対前年120%が目標だぞ」
「……(できるわけねえだろ!バーカ)」
と言ったことをひとりでやっているのである。場合によってはこの上司が野村克也風ぼやきになったり、星野仙一風熱血指導になったりする。ウソだと思われるかもしれないが、こうでもしないと気力が起きない。元来どうしようもない怠惰な性格の僕は、何かしら目標を立てないと、すぐさま社会人失格生活になってしまうのだ。その防御策としてこの「自問自答会議」が有効なのである。
今日も中央線に揺れられながら、上司と戦う。
しかし、だいたい最後は手を取り合って、酒を飲むのである。