3月7日(水)
3月16日(金)搬入の新刊『私はハロン棒になりたい』(青木るえかさんデビュー作)の事前注文〆切日。
このタイトルを編集部から提案されたとき、営業マンである僕は猛烈に反対した。その理由は「ハロン棒」が競馬用語の為、誤解されてしまって競馬棚に入れられてしまう怖れがあるからだ。せっかくの日常面白エッセイ集なのにそれでは非常に困る。
しかし編集部は、頑なにこのタイトルにこだわりをみせた。そして僕の鋭い意見に対して、発行人の浜本が反論してきたのである。
「だったら杉江くん、うちの『午前零時の玄米パン』(群ようこ著)は料理本の棚に行っちゃうし、『てやんでぇ!』(大月隆寛著)は江戸弁のコーナーに行っちゃうかもしれなかったってことだよ。でもそんなことはなかったし、『超能力株式会社の未来』だって超常現象の棚に入れられることはなかったよ。」と言われてしまったのである。
江戸弁のコーナーって何だ?と思わず突っ込もうとしたけれど、まあ、作っている本人達がこのタイトルにそれほど想いを込めているなら仕方ない。おまけにこういうときだけ異様に結束する本の雑誌編集部(浜本、松村、金子)相手にとてもひとりでは太刀打ちできないので渋々了承せざるえなかった。いつか「営業部」を作って挽回したいと夢を見る。
〆切日は、注文を取り切れていない書店さんを廻るので無謀なジグザグ営業にならざるえない。JR、私鉄、地下鉄と『人間駅すぱーと』となって首都圏を大移動。
途中、高田馬場のH書店さんでJ出版のTさんとお会いする。ワンポイントリリーフでの職場復帰だったため、今月末には退社する予定だとか。今日も次なる新人さんへ急ピッチの引継をしているところだった。淋しい限り。
渋谷へ移動し、S書店のOさんを訪問。
「3月号を見てうれしくなっちゃいましたよ。杉江さんがついに編集後記で登場なんですもん。私、DMの杉江さんのコラム大好きなんですよ。」と、とんでもない誉め言葉を頂き、思わず顔が真っ赤。
まあ、この『炎の営業日誌』と一緒でほんの一握りの人が読んで面白がってくれているのだろうけれど、それでもこういう一言は大きな励みになる。
この後の営業ルートはとても書けない。なぜなら営業マンとして口に出来ないほど滅茶苦茶な移動をしてしまったからだ。もっと計画的に動かないとなあと深く反省する。