4月3日(火)
今年初め、立川に新たにオープンしたO書店さんを初訪問。なんとこのお店、800坪ワンフロアの超大型書店なのだ。噂には聞いていたけれど、いざエスカレーターを登って売り場に到達するとそのあまりの広さに一瞬足が止まる。ワンフロアーの迫力はすごい!
担当の方に会うまでしばらく文芸書の棚を見て歩く。初めは自社の在庫など確認しながら仕事の目で眺めていたのだけれど、ふっと気づいたら、単なるお客になっていた。おっ、こんな本もあるのか?えっ、こんな本も在庫しているの?そんな驚きで何冊も手に取ってしまい、思わずレジへ。
大型書店というと何でもあるように思われるけれど、実はそうではない。これは当たり前のことで、日本中の流通本(いわゆる絶版や品切じゃないもの)をすべて棚に入れようとしたら、800坪や1500坪、それこそ日本一のジュンク堂池袋店の2000坪でも足りないほど点数があるからだ。結局、大型書店といえども、どの本を棚に入れるか、というのは書店さん側の取捨選択に任されるわけで、棚作りという面では町の書店さんと一緒なのだ。
それにしても、このO書店。何だか面白い本が並んでいる。「ゲーテ全集」なんていうのがきっちり棚に入っていて、なんと2巻は売れているではないか。他にもよそのお店で見ないような本が、ここかしこにささっていて、こういうお店が家の近くにあったら、休みの日はほとんど入浸りだろうなあと関心してしまう。
その後、すっかり忘れていた仕事を思い出し、文芸担当のSさんに初対面の挨拶。棚の感想をもらしたらSさんとても恐縮していたけれど、やっぱり棚には気合をいれているようで、
「駅前のお店とも兼ね合いがあるんですが、これだけの大きさですから、新刊だけじゃなくて、じっくり棚から本を選んでもらいたいんですよね。そのためにしっかり棚を作らないと。お客さんの期待も大きいし、まだまだこれからですけど、ガンバリます。」
小さなお店だろうと、大きなお店だろうと、熱意のある担当者が棚を作っている本屋さん。そんな本屋さんが町にある人はとても幸せなことだと僕は思う。