4月18日(水)
『炎のサッカー日誌 2001.5』
久しぶりのJリーグ平日開催日。今日はナビスコカップの1回戦2試合目、山形戦なのだ。チケットと真っ赤なユニフォームをカバンに詰めて、取次店廻りに出かける。こんな日に持ち物検査などされたら赤っ恥をかくことだろう。
とにかく仕事はしないといけないので、『日焼け読書の旅かばん』を20冊ほど持って、飯田橋のT社、O社、御茶ノ水のN社と廻り、午前中が終る。お昼を御茶ノ水で食べた後、水道橋から都営三田線に乗って志村坂上のK社へ。取次店廻りはこれで終了。20冊の本が重く、右肩が痺れるように痛い。またT社とK社が駅から遠いため足が棒のようになる。でも、今日はサッカーが見られるんだからがんばろう。
そのまま埼玉を営業して、直帰と考えていたのに、とんでもないことを思い出す。そうか!今日は部決日だから、印刷会社にFAXを入れなければいけないんだ。用紙も何もかも会社にしかなく、これはいったん会社に戻らないことにはどうにもならない。笹塚から駒場競技場までいったい何分かかるんだ?今までいつも直帰で消えていたから予想がつかない。思わず途方にくれる。
気を取り直し、予定を都心営業に変更し、高田馬場の三省堂書店で開かれている「本の雑誌と仲間たち」フェアを見に行く。担当のTさんが、本の雑誌の大ファンなので気合を入れた看板、ポップ、帯などを手製で作ってくれて思わず感動。4人連名のサイン本もなかなか好調に売れているようでひと安心。フェアが終ったら一杯飲みましょうと約束してお店を後にする。
会社に戻り、『日焼け読書の旅かばん』の部決を行なう。するととんでもないことに某社の部数が本日でないことが判明。だったら僕は会社に戻る必要もなく、いまさら、終業時間前に会社を飛び出すわけにもいかず、うーん、勘弁してくれと涙する。駅スパートで調べると笹塚から駒場競技場まで約1時間ほどで着くようだ。これなら、6時にぴったりに仕事を終え、どうにか開始数分で着くだろう…。目標到着時刻7時。
10号通り商店街を駆け抜け、笹塚駅に到着。息も絶え絶え、ホームで電車を待つが、こんな日に限って全然来ない。特急電車が立て続けに通過するばっかりで、あと一駅で新宿なのに電車に乗れない。最悪。
結局10分ほど待たされて、各駅停車が到着。が、今度は新宿駅の埼京線の乗換えがうまくいかず、またまた10分ほどのロス。ああ、こんなんじゃ前半終了してしまうじゃないかと怒りながら電車に揺られていると、コツンコツンと僕の頭を何かが叩く。今日という今日は非常に気持ちが荒れているので、「なんだてめぇ!」と怒鳴りつけようと後ろを振り返ると、それは同じように慌てた顔をしたサラリーマンが抱えているレッズの応援旗だった。これじゃ仕方ない。
どうにかこうにか7時に浦和駅に到着し、さあ、タクシーを飛ばそうと思ったら、今度はタクシー待ちの行列、ざっと20人。ああ、最低の一日だと半分あきらめ、それでも試合が動いていないことを祈りつつ、列に並ぶ。
それにしても疑問に思うのは、どうしてみんな駒場に向かう人なのに相乗りしないのだろうか?声をかけあい、4人で乗れば運賃も安く済むし、タクシーの回転がよくなるから、早く着くはずなのに…。でも誰もそんなことを言い出さず、ひとりひとりタクシーに乗り込む。効率が悪い。
8分ほどタクシーを待って、競技場へ。とにかく急いでくれと運転手にお願いするが飛ばしようもない市街地なので諦めてくれと言われる。仕方がない。予定よりも15分ほど遅れて、やっと到着。おつりも受け取るのが面倒で、1000円札を渡して、入り口へ走る。その瞬間、長い笛の音とともに
「ウォーーーーーーー」という大歓声。
えっ?もしかして点が入っちゃったの?勘弁してくれよ。しかし、それにしては、歓声の後が静かだ。いつもならゴールの後にレッズコールなんてのが始まるはずなのに、妙に大人しい。何だ?何だ?と思いつつ、入り口で荷物検査とチケットを渡し、通路を走る。そしてまた、
「ウォーーーーーーーー、浦和レッズ!!!」
今度はレッズコールつき…。しばらくして場内アナウンスが続く
「前半15分、浦和レッドダイヤモンズ、トゥットのゴール」
そう、始めの大歓声はPKを取った歓声で、次はそのPKを入れた歓声だったのだ。
悔しくて泣きそうになりながら、今度は落ち着いて階段を登る。途中ビールを2杯買って立て続けにあおる。その後は悔しさを忘れようと、ひとり大声で応援する。
とにかく結果は、3対0で圧勝し、どうにか2回戦に駒を進めることができた。まあ、いいか。
今日の教訓*平日開催日は絶対埼玉営業直帰コースを取ること。何か仕事があったとしてもそんなものは翌日でもどうにかなるんだ!