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5月21日(月)

 営業を終え、会社に戻り、楽しみにしていたアイスの「パピコ・ホワイトサワー」を食べようと思っていた。僕は暑くなるとこのアイスか「ガリガリ君」を毎日食べている。ちなみに目黒と浜本は「がつんとミカン」を食べている。

 台所に行って、冷凍庫を開けた。買い置きしておいたパピコを取りだそうと思ったら、妙な違和感があって、それは冷凍庫特有のひんやり感をまったく感じなかったこと。うん?なんだ?と思って、パピコに目をやると、な、な、なんと白い沈殿物が浮遊した液体になっているではないか!すっかりとけてしまったパピコ…。こんなものはいらない!

 涙声でその惨状を報告すると、事務の浜田が寄って来て「なんで杉江さんが触る電化製品は壊れるんですか!」と怒り、冷蔵庫を叩く。「僕が壊したんじゃなくて…」と口篭っていると、浜田はすかさず「パソコンも空気清浄器もプリンターも壊れたじゃないですか!」と詰問してくる。ちなみに浜田はその度に機械を叩いている。

 うーん、とりあえず今は、誰が機械を壊そうとそんなことはどうでもよくて、とにかく僕のパピコはとけており、これで営業後の一時の休息はおあづけとなり、なおかつ、いったい今どきの電化製品を叩いて直ると思っているんでしょうか?とはさすがに言えなかった。

 浜田は結局気が済むまで15回ほど冷蔵庫を叩き「もうダメですね」と呟いた。ダメに決っていると思うけど…。

 そして早速冷蔵庫購入委員会が作られた。新聞に挟まっていた電気屋さんのチラシを前に大検討。もちろんケチな浜本は「メーカー名なんてどうでもいいから一番安いのが良い」と進言する。

 いまだに僕の営業用パソコンは壊れたままで、アダプターを揺するとたまに動くだけ。そのスキをぬって仕事をこなしている。それにしても社内の冷蔵庫の方が、営業用パソコンよりも大事!なんて会社を、僕は他に知らない。