8月1日(水)
早いもので、もう8月。年の初めの目標はどこへ行ってしまったのかと机の引き出しを探してみたが跡形もない。そこでもう一度営業計画を練り直し、気分一新仕事に立ち向かうことにした。
これほど一日を長く感じたのはいつ以来だろうと感じさせるほど、パソコンの到着が待ち遠しい。そういうそぶりがばれると恥ずかしいので、なるべく浜田に厳しい指示を与える。午前11時7分、作業服の青年がiMacを運んで来る。こうなると僕の脳味噌にあっけなくアドレナリンが噴出し、受領印を押すのももどかしく開封。
それから夜の8時までセッティングに費やす。頼みの綱、金子がKデザイン事務所に行ってしまったため、どこに何があるかわからず、社内をうろつき回る。この会社はほんとに整理が下手だ。
セッティングを終え、感無量でiMacを眺めていると事務の浜田が名前をつけようと言い出す。
「青だから・・・、えーっと。」
「青だから・・・、『カテナチオ君』でどう?」
「何それ?」
「イタリア代表のユニフォームが青でしょ、そんでその守備的な戦術がカテナチオって言われているんだよ」
浜田は「お疲れ様でした」と挨拶もせずに帰っていった。
『カテナチオ君』これから宜しく。