9月25日(火)
3連休明けで営業に出ると、「歩き方」を脳味噌が忘れてしまっているようで、ふわふわと頼りなげな歩き方になってしまう。情けない。
営業中に村上龍の新刊を見つけあわてて購入。『最後の家族』(幻冬舎)。村上龍は新刊が出ると必ず購入する作家のひとりで、僕はかなり熱心な読者だろう。ただ、問題なのは、当たりと外れというか、力作とそうでないものがあまりにハッキリしていて、ガックリすることも少なくないことで、それでもしつこく読み続けるのは、唐突にとんでもなく面白いものを書いてくれる期待感からだ。
さて今回の『最後の家族』は…と思いつつ、帰りの電車の中でペラペラ最初の数ページを読み始めたところ、これは!これは!とはやる気持ちが抑えられなくなる。早く先が知りたい、どうなっていくのか?とにかく傑作の匂いが充満していた。
結局、家に帰っても読み続け、あっという間に読了してしまった。今、僕の頭のなかは痺れまくっていて、感動と興奮と、そして考えなくてはいけないことが山盛りである。どうして涙が出てきたのかうまく言葉にできないけれど、何度も何度もこみ上げてくる涙をこらえきれず、ティッシュで拭った。ありがちな感動話を村上龍が書くわけもなく、村上龍らしいメッセージと新たに手に入れた情報がしっかり書き手のなかで消化され、小説として構築されている。何だかものすごく偉そうに書いているがとにかくすごい小説だと僕は思う。
『最後の家族』という少し悲観的なタイトルには、逆説的な意味合いが含まれているだろう。それは今までの価値観での家族の崩壊を意味しているが、この小説のラストでは、村上龍が考える新たな価値観のなかでの『最初の家族』が描かれている。その家族像は、少し淋しくて、でもカッコイイ!
これだから村上龍はやめられない。