WEB本の雑誌

10月3日(水)

 渋谷を営業。S書店のM店長さんと長話。M店長さんとは古いつき合いで、前にも書いたが、僕が専門書版元にいた頃からのつき合い。高田馬場店からここ渋谷店に異動になったのが今年の8月。どこのお店に異動になろうとも、こちらはひとり営業マンなので追いかけるようについていく。

 さて、このM店長さんとの話でとても印象深かったのは、ある日の店舗ミーティングで部下の店員さん達に向かって話したというこの一言。

「自分たちが、たとえ休みの日でも来たいというお店を作ろう!」

 基本的で当たり前のことだけれど、ついつい仕事としてやっていると忘れてしまうことだろう。でも考えてみたら、店員さんもその枠を外せば、お客さんと同じ「人」である。自分たちが楽しめなくて、お客さんが楽しいわけがないというもの。一歩引いて客観的に自分のお店を考えるのは大切なことだ。

 棚や平台の並べ方に少し手を入れてみる。飾りを付けてみる。ポップを立ててみる。商品構成を変えてみる。売り場とは不思議なもので、手を入れれば、少なからず反応が出る。じっくり見ているとは思えないお客さんも、実は鋭く観察しているのだ。それが書店員さんのモチベーションとなる。これが廻り出せば好循環になるだろう。素晴らしいコンセプト。

 興奮気味に会社に戻り、僕も大声で叫ぶ。
「みなさん!自分達が読みたいと思う本を作ろうじゃないですか!」

 奥で作業していた浜本が、そんなことはやっているよという顔で一言つぶやく。
「でも、勝手に浦和レッズの本は作らないように!」

 ……。