WEB本の雑誌

10月29日(月)

 とある書店に行き、バックヤードで店長さんと話し込んでいた。その店長さんの机の脇に、10数冊の本が積んであった。最近、書評で取り上げられた面白そうな本ばかり。

 店長さんがその本の山を指さし、
「コレ、何だかわかる?」と突然聞いてきた。
 僕はてっきり、書評本コーナーを新設したのかと思って答えたが、店長さんは苦笑いを浮かべ一言。
「万引きだよ。」

 その後は店長さんと万引きの話になった。店長さんが言うには、最近の万引きは非常に悪質で、可愛い気がないという。今回の盗まれた本を見ればわかるとおり、書評で取り上げられてちょっと高額な物を狙うらしい。それは自分が読みたいんじゃなくて、一番「売り」易い物を選んでいる証拠で、また常習犯が非常に多いとも話す。

 最後に店長さんが言ったひとことが重くのしかかる。
「出版社は、万引きだろうが、現実に売れようが、関係ないんだよね。結局、売上が立つわけで、全部書店がかぶるんだよね。」

 前にも書いたけれど、万引き対策を早く業界全体で取り組むべきだと僕は思っている。