11月14日(水)
これから『本の雑誌』1月号の恒例企画「本の雑誌が選ぶベスト10」の会議が始まる。毎年、お互い自分で推す本に愛着があるため、喧々囂々の大騒ぎになってしまい、一波乱ふた波乱何かが起きる。本誌誌面には掲載されていないが、大人げない罵りなどもあってどうにも収集がつかなくなる。その大人げない罵りを挙げているのが僕だという噂もあるけれど…。
今年も前夜遅くまで自分の本棚を眺め、1年間に読んだ本の感想を思い出していた。背表紙を見ていると、読んでいたときの興奮がリアルに思い出されて非常に楽しい。ただこの中から5点くらいに絞らなければならないというのがつらい。珠玉の5冊を選んで出社した。
問題なのは、毎年このベスト10会議をやる度に僕の発言力がなくなっていくような気がすることで、また、どんどん社内で孤立化していくような気もしている。数日前に行った「文庫ベスト10会議」では、ほとんど誰も僕の話を聞いてくれなかったのだ。なぜ?
うーん、こうなったら逆に黙っていた方がベスト10に選ばれるような気もしてくる。でも、黙っていたら黙っていたで、みんなそのまま僕を無視するんじゃないか…。いったいどうしたら良いんだと悩みつつ、今、会議が始まるのを静かに待っている。