WEB本の雑誌

11月15日(木)

『なまこのひとりごと』の見本が、予定よりも一日早く出来上がったので取次店を廻る。午後なら比較的空いているかと思ったが、妙に混んでいて、列に並んでしばし待つ。

 新刊委託のある出版社は、ここ取次仕入がある意味、勝負の場でもあり、うしろで並んで聞いていると臨場感があって面白い。「○○部希望なんですが…」「いやそんなに蒔けませんよ、△△部が限界です」「広告も打ちますしそこを何とか…」なんて言葉が飛び交っている。必死に口説こうとする営業マン、どんどんと肩がすぼんでいく営業マン。それぞれの人間模様・本模様が垣間見える瞬間だ。

 ただ、不思議に思うのは、この場で営業マンがその新刊を説明をするときに「えーっと著者は…」などといいつつ、あわてて出来上がったばかりの新刊見本を開き、「著者略歴」を読み上げていたりすることだ。内容も、帯のコメントをブツブツなぞっていたりすることもある。いったいこういう営業マンはどのように営業しているのだろうか? うーん、謎だ。