●担当者●明屋書店空港通店 久保田光沙

2023年9月28日更新

『カード師』中村文則

 新作『列』が発売されたら書評を書こうと我慢していたのに、『カード師』の文庫化でもう私は堪えきれなかった。  私は中村文則が好きだ。  家族旅行で長崎へ行った時、早くハウステンボスへ行きたい子供たちに... 記事を見る »
2023年8月24日更新

『リラの花咲くけものみち』藤岡陽子

「書店員をやっていてよかった」と思える本にたまに出会えることがあるが、この本がそれだ。  この本は獣医を目指す女の子の話だから、キラキラした小説が苦手な私は、自分からは絶対に手に取らないタイプの本だ。... 記事を見る »
2023年7月27日更新

『岡村靖幸のカモンエブリバディ』岡村靖幸

 私は岡村靖幸に五色そうめんを食べさせたことがある。 「岡村靖幸のカモンエブリバディ」というラジオの中に、咀嚼音コーナーというものがある。リクエストされたものを岡村さんが食べて、リスナーはラジオでその... 記事を見る »
2023年6月22日更新

『私はスカーレット』林真理子

 スカーレットは獣だ。私が一度、獣になったことがあるから断言できる。  私が獣になったのは、一人目を出産した後だった。初めての子育てで寝られず、ゆっくり食べられず、トイレすら自由に行けない日々を経て、... 記事を見る »
2023年5月25日更新

『街とその不確かな壁』村上春樹

「悔しい!」の一言に尽きる。  あんなに村上春樹が苦手だったのに、この本はめちゃくちゃ面白い。  私の村上春樹との出会いは高校生の時、どこかの大学入試の過去問だった。何という小説だったか忘れたが、浜辺... 記事を見る »
明屋書店空港通店 久保田光沙
明屋書店空港通店 久保田光沙
愛媛生まれ。2011年明屋書店に入社。店舗や本部の商品課などを経て、結婚し、二回出産。現在、八歳と二歳の子を持つ母でもあり、妻でもあり、文芸担当の書店員でもある。作家は中村文則、小説は「青の炎」(貴志祐介)が一番好き。昨年のマイベスト本は「リバー」(奥田英朗)。