●担当者●HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎

2024年4月11日更新

『海をあげる』上間陽子

 ほんとうに、この本を紹介したかった。そのために一年間書評を書いてきたのだ。 『裸足で逃げる』は、沖縄の風俗業界で働く若年女性たちの話を上間さんたちが聞き取り、記録したものだ。4年間の社会調査の記録と... 記事を見る »
2024年3月14日更新

『ヤンキーと地元』打越正行

「なんで大阪弁しゃべらへんの?」 と言われたことは一度や二度ではありません。 大阪生まれで大阪育ちの私ですが、標準語を話す人と会話する際は標準語になります。その方が「通りがいい」と感じるからです。私自... 記事を見る »
2024年2月8日更新

『増補改訂 ぼくの沖縄〈復帰後〉史プラス』新城和博

 阪神淡路大震災があったのは私が高校生の頃です。家にいた人間も猫も大パニックでしたが、平日だったので学校に行きました。当然のことながら閉まっていました。あとから新聞などで災害の状況が明らかになると、そ... 記事を見る »
2024年1月11日更新

『なれのはて』加藤シゲアキ

『なれのはて』が面白かったので読んでほしいと思っています。  読者をうならせるほどの奥行を持ち、ストーリーも人物造形も、作家として持てる力のすべてが込められている、と感じました。まさしく渾身という言葉... 記事を見る »
2023年12月14日更新

『夜明けを待つ』佐々涼子

 2023年のベストを1冊挙げるとしたら、間違いなく『夜明けを待つ』です。  本屋というのは因果なもので、本と真剣に向き合おうとしても「すばらしい1冊」がいくつもいくつも出版されてしまい、日常業務に追... 記事を見る »
2023年11月9日更新

『増補 本屋になりたい この島の本を売る』宇田智子

(前回からのつづき) 『市場界隈』に登場する古本屋「市場の古本屋ウララ」の店主、宇田智子さんの著書『増補 本屋になりたい この島の本を売る』(ちくま文庫)には、個人で古本屋を開業するところから古本屋の... 記事を見る »
2023年10月12日更新

『市場界隈』橋本倫史

 沖縄で「県民の台所」と呼ばれた市場、正式名称「那覇市第一牧志公設市場」は老朽化のため建て替え工事を行うことになり、2019年6月に閉場しました。沖縄の海でとれた新鮮な魚、年中行事に欠かせない餅、伝統... 記事を見る »
2023年9月14日更新

『八月の銀の雪』伊与原新

 沖縄では、多ければ月に2回ほど台風が接近することがあります。特に7月から9月にかけて多く接近し、県民も台風慣れしているようにさえ感じられることも。  台風の発生が報じられると、予報などで常に情報収集... 記事を見る »
2023年8月10日更新

『沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶』岡本尚文=監修・写真、たまきまさみ=文

 沖縄で暮らしてみて、食文化の違いにとても驚きました。沖縄へ来る前に沖縄そばやタコライスの存在は知っていたものの、それ以外は知らないことだらけだったのです。家庭料理におけるポークランチョンミート(いわ... 記事を見る »
2023年7月13日更新

『眠れない夜にみる夢は』深沢仁

 誰にでも、忘れられない夜というものがあると思います。  大勢で賑やかに過ごしたり、ごく親しい人と二人きりだったり。思いもかけない秘密の告白、または周到に準備されたサプライズ、冷たい夜や蒸し暑い夜など... 記事を見る »
2023年6月8日更新

『沖縄の生活史』石原昌家・岸政彦 監修 沖縄タイムス社 編

 毎年6月23日は「慰霊の日」です。この日は沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われます。  第二次世界大戦で沖縄県は戦場となりました。1945年3月26日以降、沖縄本島および周辺... 記事を見る »
2023年5月11日更新

『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』室井昌也、谷田貝哲

 こんにちは。沖縄におります中目と申します。これから1年間担当いたします。よろしくお願いします。  生まれてから大阪を離れたことがなかったのですが、思いがけず沖縄の店舗へ異動となり3年半が経ちました。... 記事を見る »
HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎
HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎
大阪生まれ、沖縄在住。2006年から書店勤務。HMV&BOOKSには2019年から勤務。今の担当ジャンルは「本全般」で、広く浅く見ています。学生時代に筒井康隆全集を読破して、それ以降は縁がある本をこだわりなく読んでみるスタイルです。確固たる猫派。