新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2021年5月号掲載
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書評担当者:北上次郎
『少年は世界をのみこむ』に温かいものがこみあげる!
トレント・ダルトン『少年は世界をのみこむ』(池田真紀子訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)が素晴らしい。たとえば、一二歳のイーライに、七〇歳過ぎのスリム・ハリデーが「光と陰だ、坊主」と言う。どうして一二...記事を見る »
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書評担当者:冬木糸一
「自由」と「失敗」がポイントの『人類とイノベーション』
世界がどんどん良くなっていることを客観的な証拠から明らかにした『繁栄──明日を切り拓くための人類10万年史』のマット・リドレーによる最新作が、『人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化す...記事を見る »
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書評担当者:高頭佐和子
朝井リョウ『正欲』にぶん殴られる!
今月はまず朝井リョウ『正欲』(新潮社)について書かなくてはならない。ざらざらした紙やすりのような小説だ。取り繕った表面を削り取り、心の内側に隠しているものを曝け出してしまう。人と共有しづらい経験や欲...記事を見る »
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書評担当者:古山裕樹
似鳥鶏『卒業したら教室で』の凝りに凝った仕掛けが楽しい!
目次を見た瞬間、手にとった本を間違えたかな? と思ってしまったのは、似鳥鶏の『卒業したら教室で』(創元推理文庫)である。主人公・葉山くんの通う市立高校で起きる不可解なできごと。その謎解きを描く〈市立...記事を見る »
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書評担当者:大森望
歴史SFの大傑作を収めた『宇宙の春』が凄い!
731部隊を扱ったSFは日本でも先例があるが、歴史認識の問題とからめてここまでストレートに書いた作品は初めてだろう。ケン・リュウの邦訳第四短篇集『宇宙の春』(古沢嘉通編訳/新☆ハヤカワ・SF・シリー...記事を見る »
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書評担当者:藤ふくろう
設定オタクの大ペテン師サルマナザールの奇書
かつてヨーロッパに、台湾と日本について大ボラを吹きまくったペテン師がいた。ジョージ・サルマナザール『フォルモサ 台湾と日本の地理歴史』(原田範行訳/平凡社ライブラリー)は、18世紀ヨーロッパのアジア...記事を見る »
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書評担当者:吉野仁
手応えたっぷりの傑作『父を撃った12の銃弾』を読め!
数ある世界のミステリ賞のなかでも、アメリカ探偵作家クラブによるエドガー賞最優秀長篇賞に注目している読者は多いだろう。なにせ受賞を逃したノミネート作でさえ、すべて読んでおきたい傑作ぞろいなのだ。 ハ...記事を見る »