新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2023年9月号 書評担当者:すずきたけし
人間と犬の苛烈な関係を描く角幡唯介『犬橇事始』
前著『狩りと漂泊』で、これまでの冒険から思考の転換によって"覚醒"した角幡唯介の「裸の大地」シリーズ第二部『犬橇事始』(集英社)。今回は犬橇にフォーカスし、北極圏グリーンランドという極地での人間と犬...記事を見る »
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2023年9月号 書評担当者:松井ゆかり
王谷晶『君の六月は凍る』に心をつかまれる!
王谷晶『君の六月は凍る』(朝日新聞出版)の表題作は、「君の六月は凍った」という一文から始まる。冒頭から否応なく心をつかまれるこの作品において、主人公の「わたし」をはじめ登場人物たちは固有名詞を持たず...記事を見る »
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2023年9月号 書評担当者:酒井貞道
恩田陸の新たな代表作をセットで読むべし!
今回は何よりもまず、恩田陸の野心作から評を始めねばなるまい。集英社から連月で刊行された恩田陸の『鈍色幻視行』と『夜果つるところ』は対を成す物語で、『夜果つるところ』は『鈍色幻視行』の核心となる作中作...記事を見る »
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2023年9月号 書評担当者:大森望
小田雅久仁『禍』は最上級の体験型幻想小説集だ!
先月積み残した『ロボット・アップライジング AIロボット反乱SF傑作選』(中原尚哉ほか訳/創元SF文庫)★★★★は、2014年にアメリカで刊行された(再録5編を含む)書き下ろしアンソロジーの抄訳(全...記事を見る »
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2023年9月号 書評担当者:石川美南
信頼できないのは語り手か、それとも?
エルナン・ディアズ『トラスト─絆/わが人生/追憶の記/未来─』(井上里訳/早川書房)を、夢中で読んだ。 まず、第一パート「絆」からして面白い。主人公ベンジャミン・ラスクは類まれな投資のセンスで一...記事を見る »
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2023年9月号 書評担当者:柿沼瑛子
闘う子供たちの物語キング『異能機関』を一気読み!
二〇二四年に作家生活五十周年を迎えるスティーヴン・キングの最新作『異能機関』(白石朗訳/文藝春秋)は、闘う子供たちの物語だ。まあ、キングのことだからラストは信頼してもいいよね、と思いながらも、ついつ...記事を見る »