新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
冬木糸一 記事一覧
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2021年12月号掲載
ジェニー・オデル『何もしない』で注意力を取り戻す!?
現代は我々の注意と時間を奪っていくもので溢れている。SNSは常に新しい通知を伝えてくるし、仕事が終わっても競争社会で忙しく、オフの日でも学び、成長が求められる時代である。だが、そんな在り方にノーを突...記事を見る »
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2021年11月号掲載
日常の当たり前を疑う『アルゴリズムの時代』
グーグル検索、フェイスブック、自動運転車など、我々はいま日常のあらゆる局面でアルゴリズムと接している。ハンナ・フライ『アルゴリズムの時代』(森嶋マリ訳/文藝春秋)は、そんな現代をアルゴリズムの時代と...記事を見る »
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2021年10月号掲載
世界を変えた海賊王エヴリーの物語
海賊を扱ったノンフィクションにハズレ無しという持論を勝手に唱えているが、その具体例に連なってくれたのが、スティーブン・ジョンソン『世界を変えた「海賊」の物語』(山岡由美訳/朝日新聞出版)だ。本書で取...記事を見る »
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2021年9月号掲載
コロナに立ち向かった英雄的な人々
まず紹介したいのは、統計データに注目しこれまでとはまったく異なる選手評価を確立していく過程を追ったノンフィクション『マネー・ボール』で一躍その名をはせた作家、マイケル・ルイスの最新作『最悪の予感 パ...記事を見る »
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2021年8月号掲載
苛烈な議論が展開する巨匠クイーンの往復書簡
今回もっとも食い入るように読んだのはジョゼフ・グッドリッチ編『エラリー・クイーン 創作の秘密』(飯城勇三訳/国書刊行会)だ。本格ミステリの巨匠として知られるクイーンが二人組みの作家であることはミステ...記事を見る »
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2021年7月号掲載
『南極探検とペンギン』が明かすスコット隊の影の英雄
この宇宙に知的生命は我々しか存在しないのか。人は科学で、哲学で、宗教で、SFで、奇妙な説から真面目な説まで様々な形でこの問いについて検討してきたが、依然としてその答えは出ていない。だが、近年の科学技...記事を見る »
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2021年6月号掲載
能力主義信仰を問い直す『実力も運のうち』
イギリスがEUから離脱し、米大統領選ではバイデンとトランプが接戦を繰り広げる昨今、政治や社会をめぐる状況で分断が一つのキーワードになっている。『これからの「正義」の話をしよう』のマイケル・サンデル最...記事を見る »
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2021年5月号掲載
「自由」と「失敗」がポイントの『人類とイノベーション』
世界がどんどん良くなっていることを客観的な証拠から明らかにした『繁栄──明日を切り拓くための人類10万年史』のマット・リドレーによる最新作が、『人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化す...記事を見る »
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2021年4月号掲載
分断と格差が生み出す『絶望死のアメリカ』
アメリカ人の平均寿命が、二〇一五年から三年連続で減少し、先進国の中でも異例といえる動きを示している。その大きな要因として挙げられているのが、自殺、薬物依存、アルコール関連疾患の三つをまとめた絶望死と...記事を見る »
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2021年3月号掲載
世界の刑務所を渡り歩く『囚われし者たちの国』
まず紹介したいのは、世界の特徴的な刑務所を渡り歩き、罪に対する罰、許しとはなんなのか。刑務所は今の在り方のままでいいのかを考えていく、バズ・ドライシンガー『囚われし者たちの国 世界の刑務所に正義を訪...記事を見る »
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2021年2月号掲載
教育の力を実感させる衝撃の回顧録
教育は人をどれほど変えうるのか。それをまざまざと実感させてくれるのが、タラ・ウェストーバーによる回顧録『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』(村井理子訳/早川書房)だ。大学が人生を変えるのは当...記事を見る »
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2021年1月号掲載
プロパガンダを警告する『操作される現実』におののく!
アメリカ大統領選が民主党バイデンの勝利で幕を閉じたが、近年の大統領選の戦場は、SNSにまで拡大している。多くの人が気づかないうちに自分たちの陣営を支持し、相手を嫌悪するように、操作を画策する勢力が存...記事を見る »
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2020年12月号掲載
文明をゼロから作るタイムトラベラーの必携書
もし、あなたが過去にタイムトラベルをして、しかも装置が動かなくなってその時代に取り残されてしまったとしたら......。そういう時でも、あなたが文明をゼロから作り直せるようにしよう、という観点から書...記事を見る »
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2020年11月号掲載
老化メカニズムを解明する最前線の一冊
今回まず紹介したい話題作は、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』(梶山あゆみ訳/東洋経済新報社)だ。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する...記事を見る »
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2020年10月号掲載
今年最大の話題作『ブルシット・ジョブ』に注目!
おそらく今年最大の話題作がデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(酒井隆史、芳賀達彦、森田和樹訳/岩波書店)だ。『負債論』などの著書がある文化人類学者のグレーバーに...記事を見る »
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2020年9月号掲載
『投票権をわれらに』が記す今現在も続く問題
今回まず紹介したいのは、アメリカでマイノリティの投票権を守るため、絶大な効力を発揮してきた投票権法の歴史をひもとくアリ・バーマン『投票権をわれらに 選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い』(秋元由紀訳...記事を見る »
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2020年8月号掲載
多角的な視点で考察する『幻覚剤は役に立つのか』
今回もかなりの大作揃い。まずご紹介したいのは、マイケル・ポーラン『幻覚剤は役に立つのか』(宮﨑真紀訳/亜紀書房)だ。実は近年、LSDなどの幻覚作用を持つ薬物が医療や意識の研究対象として注目を浴びてい...記事を見る »
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2020年7月号掲載
『もうダメかも』は今年ベスト級のノンフィクションだ!
今年ベスト級のノンフィクションが出た! マイケル・ブラストランド、 デイヴィッド・シュピーゲルハルターによる『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』(松井信彦訳/みすず書房)だ。多くの人は人生の大半を死...記事を見る »
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2020年6月号掲載
ゼロから人間を作る細胞生物学の未来
今回まず紹介したいのは、フィリップ・ボール『人工培養された脳は「誰」なのか 超先端バイオ技術が変える新生命』(桐谷知未訳/原書房)だ。原題は「How To Grow A Human」で、受精した後、...記事を見る »
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2020年5月号掲載
世界人口は三十年後に大減少する!?
今回まずご紹介したいのは現代の諸問題を考えるうえで外すことができない世界人口の推移を扱った、ダリル・ブリッカー、ジョン・イビットソン『2050年 世界人口大減少』(倉田幸信訳/文藝春秋)だ。 現在...記事を見る »
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2020年4月号掲載
人類の理性と共感を信頼するピンカー『21世紀の啓蒙』
今回まず紹介したいのは、『暴力の人類史』で、我々が地上に出現して以来もっとも暴力が少なく、平和な時代を暮らしていることを明らかにしてみせた、スティーヴン・ピンカーの最新作『21世紀の啓蒙 理性、科学...記事を見る »
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2020年3月号掲載
進化と物理法則の繋がりを深掘りする傑作
二〇一九年はジョナサン・B・ロソス『生命の歴史は繰り返すのか?』など物理法則と生物の進化の繋がりを解き明かす素晴らしいノンフィクションが多数刊行されたが、チャールズ・コケル『生命進化の物理法則』(藤...記事を見る »
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2020年2月号掲載
思考や人間関係も整理する森博嗣『アンチ整理術』
『サピエンス全史』で過去を、『ホモ・デウス』で未来を対象にして人類史を虚構の観点から語り直したユヴァル・ノア・ハラリの新作『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』(柴田裕之訳/河出書...記事を見る »
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2020年1月号掲載
現在進行形の危機を扱う『危機と人類』をぐいぐい読む!
今号からノンフィクションガイドを担当する、冬木糸一と申します! これからしばらくの間よろしく。というわけで最初に紹介するのは『銃・病原菌・鉄』で世界にその名を轟かせたジャレド・ダイアモンドの『危機と...記事を見る »