新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
« 2021年6月 | 2021年7月 | 2021年8月 »
2021年7月号掲載
-
書評担当者:北上次郎
情報てんこ盛りの痛快業界小説、久坂部羊『MR』がいいぞ!
久坂部羊『MR』(幻冬舎)が面白い。MRとは、医療情報担当者のことで、つまりは製薬会社の営業である。この仕事がいかに大変なものであるかは、鳴海章『路地裏の金魚』という小説に書かれていたので、まだ覚え...記事を見る »
-
書評担当者:冬木糸一
『南極探検とペンギン』が明かすスコット隊の影の英雄
この宇宙に知的生命は我々しか存在しないのか。人は科学で、哲学で、宗教で、SFで、奇妙な説から真面目な説まで様々な形でこの問いについて検討してきたが、依然としてその答えは出ていない。だが、近年の科学技...記事を見る »
-
書評担当者:高頭佐和子
ゴッホの自殺の謎を追う原田マハ『リボルバー』
原田マハ『リボルバー』(幻冬舎)は、ゴッホの物語である。著者は『たゆたえども沈まず』(幻冬舎文庫)で、ゴッホの生きた時代を舞台にした物語を既に描いているが、この新作に本人は登場しない。偉大な画家を巡...記事を見る »
-
書評担当者:古山裕樹
恩田陸『薔薇のなかの蛇』の破壊的な快楽に酔う
水野理瀬が初めて読者の前に姿を見せたのは、『三月は深き紅の淵を』だった。ただ、これは特異なつくりの小説なので、彼女が初めて主役を務めた作品としては『麦の海に沈む果実』をあげるべきだろう。その後、『黄...記事を見る »
-
書評担当者:大森望
超絶スケールで暴走する『三体Ⅲ 死神永生』に茫然!
各種コロナ禍本が書店の店頭を賑わす今日この頃ですが、キャロル・スタイヴァースの第一長篇『マザーコード』(金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)★★★½は、パンデミックによる人類滅亡とその後の小さな希望を描く終...記事を見る »
-
書評担当者:藤ふくろう
夫婦共著の奇談小説『爆弾魔』がすばらしい!
R・L・スティーヴンソン&ファニー・スティーヴンソン『爆弾魔 続・新アラビア夜話』(南條竹則訳/国書刊行会)が面白い。19世紀英国を舞台に、心躍る冒険を求める3人のボンクラ紳士たちが爆弾テロリストに...記事を見る »
-
書評担当者:吉野仁
インドの町を生き生きと描く『ブート・バザールの少年探偵』
驚いた。まさかインド人作家による作品が本年度のエドガー賞最優秀長篇賞を受賞するとは思ってもみなかった。ディーパ・アーナパーラ『ブート・バザールの少年探偵』(坂本あおい訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)の主...記事を見る »