新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2019年7月号掲載
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書評担当者:小財満
少年たちの物語が交錯する『指名手配』がいいぞ!
ロバート・クレイス『指名手配』(高橋恭美子訳/創元推理文庫)はロサンゼルスの私立探偵エルヴィス・コールのシリーズ第十三作(相棒ジョー・パイクのシリーズを含めると第十七作)。日本では第六作『サンセット...記事を見る »
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書評担当者:林さかな
フランゼン『ピュリティ』のずっしり八百ページを堪能!
『ピュリティ』(ジョナサン・フランゼン/岩瀬徳子訳/早川書房)は八百ページ超の小説なので重みも中身もずっしりしているが、語り口がよく読みやすい。大学を卒業し多額の奨学金ローンを抱えている主人公のピップ...記事を見る »
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書評担当者:大森望
感情の機微を細やかに描く菅浩江『不見の月』
三方行成『流れよわが涙、と孔明は言った』だけ、ひと足早く先月紹介したが、それと一緒に、同じハヤカワ文庫JAから同じハヤカワSFコンテスト出身の新鋭による書き下ろし長編が2冊出ている。柴田勝家『ヒト夜...記事を見る »
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書評担当者:千街晶之
京極夏彦『今昔百鬼拾遺 鬼』の超絶技巧を見よ!
本を手に取った段階で、「京極夏彦がこんな短い長篇を書いたとは」と驚かされたのが『今昔百鬼拾遺 鬼』(講談社タイガ)である。 昭和二十九年、日本刀による殺傷事件が東京で続発し、「昭和の辻斬り事件」と...記事を見る »
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書評担当者:大塚真祐子
破滅へと疾走する恋愛小説金原ひとみ『アタラクシア』
人間は愚かで、こんなにもどうしようもない生き物なのに、なぜ「誰か」を必要とするときにはこんなにも清らかで、愛しく見えてしまうのだろう。金原ひとみ『アタラクシア』(集英社)を読みながら、何度も天を仰い...記事を見る »
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書評担当者:仲野徹
5億年にわたる植物たちの戦争がすごい!
本を読んでいて唐突に自分の名前に出くわしてびっくりした。それも、「選書に熱心な硬派の書評子」として、佐藤優、内田樹、池内了、成毛眞、斎藤美奈子らと並んでの紹介である。えらくうれしいやないの。 だか...記事を見る »
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書評担当者:北上次郎
フレドリック六十六歳の波瀾万丈の日々
ヘニング・マンケル『イタリアン・シューズ』(柳沢由実子訳/東京創元社)の終わり間近に、フレドリックが若き日のことを思い出す場面がある。彼は元医師で六六歳。スウェーデン東海岸群島の小さな島で、たった一...記事を見る »