新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2019年6月号掲載
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書評担当者:小財満
『戦場のアリス』の不屈の女性たちに感動!
ケイト・クイン『戦場のアリス』(加藤洋子訳/ハーパーBOOKS)は第一次世界大戦中、ドイツ軍占領下のフランスで諜報活動を行っていた実在する女性たちを題材にした歴史ミステリ。ボストン・テラン『音もなく...記事を見る »
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書評担当者:林さかな
濃くておもしろい中南米文学アンソロジー
およそ三十年の時間をかけて編訳された『20世紀ラテンアメリカ短篇選』(野谷文昭編訳/岩波文庫)は濃くておもしろい中南米文学が十六編収められている。あざやかな黄色が目にとびこんでくる表紙絵はディエゴ・...記事を見る »
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書評担当者:大森望
次郎長三国志風本格SF『宿借りの星』が楽しい!
今月の目玉は、酉島伝法の待望ひさしい第2作にして初長編『宿借りの星』(東京創元社)★★★★★。2015年春、構想が紙芝居風に発表されてから4年。"邪悪なムーミンの話"は、凶状持ちの元組長が弟分と街道...記事を見る »
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書評担当者:千街晶之
皆川博子『夜のアポロン』の一撃必殺の気合を見よ!
本当に優れた短篇小説は、一行目から本気で読者に斬りかかってくる──改めてそう感じさせるのが、皆川博子『夜のアポロン』(早川書房円)である。 二〇一八年にKADOKAWAから刊行された『夜のリフレー...記事を見る »
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書評担当者:大塚真祐子
豊饒な語りがつむぐ村田喜代子『飛族』に驚嘆!
村田喜代子『飛族』(文藝春秋)は、五島列島をモチーフにした架空の島々の猛々しい自然と、島にたった二人で暮らす老女の生活を書いた一作だ。娘のウミ子がいくら説得しても、92歳の母親イオは島を離れようとし...記事を見る »
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書評担当者:仲野徹
令和元年に読む昭和ノスタルジー本だ!
令和になった。昭和はすでに二つ前の元号だ。平成にとっては大正、昭和だと明治、、二つ前の元号の時代はえらく古くさい感じがしてしまう。だからという訳ではないのだが、まずは昭和ノスタルジー本を。 『裏昭和...記事を見る »
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書評担当者:北上次郎
濃い感情が渦巻く『いきぢごく』から目が離せない!
瓶覗、という名の色があるんだそうだ。かめのぞき。淡い藍色、らしい。初めて知った。そのかんざしをくれたのは姉の夫、幹久だ。彼は言う。「瓶の底に溜まった水の揺らぎ。空の色を映しとったような、そんなはかな...記事を見る »