新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
« 2022年2月 | 2022年3月 | 2022年4月 »
2022年3月号掲載
-
書評担当者:北上次郎
馳星周『黄金旅程』を複雑な気持ちで読む
馳星周が競馬を始めたという話を聞いたときから、いつかは競馬小説を書いてくれるのではないかと期待していたが、小説すばるで連載が始まったとき、牧場を舞台にしていると知って複雑な気持ちになった。 という...記事を見る »
-
書評担当者:すずきたけし
新たな視点で世界を見る八馬智『日常の絶景』
書店の新刊コーナーでそのレトロな装丁が目に止まったのがオリオヴィア・コスキー&ジェイナ・グルセヴィッチ『太陽系観光旅行読本』(露久保由美子訳/原書房)。二〇一八年に出たものの新装版の本書は、昨年ヒッ...記事を見る »
-
書評担当者:高頭佐和子
町田康『男の愛』の清水次郎長にLOVE!
江國香織『ひとりでカラカサさしてゆく』(新潮社)は、八十代の男女三名が、バーラウンジに集い和やかに思い出を語り合う場面から始まる。かつて同じ出版社で働き、一緒にコンサートや映画に出かけ、転職したり遠...記事を見る »
-
書評担当者:古山裕樹
命を賭けた推理ゲーム『名探偵に甘美なる死を』
ミステリの連作短編といえば、どうしても最後の一編での大きな驚きを期待してしまう。矢樹純の『マザー・マーダー』(光文社)は、そんな期待に十分応えてくれる一冊だ。 この本には五つの短編が収められている...記事を見る »
-
書評担当者:大森望
IT+ナチスの改変歴史SF『NSA』をお薦め!
新年1発目は、2019年のクルト・ラスヴィッツ賞に輝くドイツSF、アンドレアス・エシュバッハ『NSA』(赤坂桃子訳/ハヤカワ文庫SF)★★★★。エシュバッハと言えば、03年に邦訳された『イエスのビデ...記事を見る »
-
書評担当者:藤ふくろう
人間の感情ヘドロをえぐり出す『壁の向こうへ続く道』
日常に溶けこむ幻想を描くアルゼンチンの作家、シルビナ・オカンポの短編集が2冊、ほぼ同時に刊行された。『蛇口 オカンポ短篇選』(松本健二訳/東宣出版)は、オカンポ全作品の中から訳者が選んだオリジナル短...記事を見る »
-
書評担当者:吉野仁
落ちぶれ男のロードノヴェル『クライ・マッチョ』が痛快だ!
ケン・フォレットは、『針の眼』で世界的なベストセラー作家になって以来、主に戦争冒険スパイ小説を手がけてきたが、近年はむしろ歴史もの『大聖堂』シリーズが代表作だろう。ところが最新作『ネヴァー』(戸田裕...記事を見る »