新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
すずきたけし 記事一覧
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2023年12月号
身の回りの"機械"の生い立ちとしくみを探る!
「へぇ~」と声に出し続けてしまった森下信『今と未来がわかる 身近な機械 しくみと進化』(ナツメ社)は、冷蔵庫や電子レンジ、テレビや照明、洗濯機からパソコン周辺に携帯電話、そして車や自転車の乗り物まで、...記事を見る »
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2023年10月号
壮大な食の風俗史『ソース焼きそばの謎』に興奮!
塩崎省吾『ソース焼きそばの謎』(ハヤカワ新書)は、ストレートな題名が潔い。ソース焼きそばのルーツを追った本書は、戦後の食料不足の際に登場し普及していったとされる主流の説を覆し、戦前の昭和一〇年ごろ...記事を見る »
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2023年9月号
人間と犬の苛烈な関係を描く角幡唯介『犬橇事始』
前著『狩りと漂泊』で、これまでの冒険から思考の転換によって"覚醒"した角幡唯介の「裸の大地」シリーズ第二部『犬橇事始』(集英社)。今回は犬橇にフォーカスし、北極圏グリーンランドという極地での人間と犬...記事を見る »
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2023年8月号
『魚と人の知恵比べ』が描くフライフィッシングの奥深い世界
つくづくフライフィッシングとはめんどくさくて捉えどころがなく、そして魅力的な釣りだと、マーク・カーランスキー『魚と人の知恵比べ』(片岡夏実訳/築地書館)を読んで思う。フライフィッシングは英国発祥の毛...記事を見る »
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2023年7月号
多くの人に受け継がれる『オシムの遺産』に涙!
読んでいて涙が溢れてきたのが、島沢優子『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)だった。サッカーユーゴスラビア代表監督としてチームをまとめ一九九〇年のイタリアワールドカップでベスト8の...記事を見る »
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2023年6月号
現代的な職人世界に迫る『師弟百景』が面白い!
伝統工芸など様々な職人の師弟関係を取材した、井上理津子『師弟百景』(辰巳出版)が面白い。後継者不足と長年聞かれる「職人」は、「師匠の背中を見て覚えろ」といった近寄りがたい世界だとイメージしていたが、...記事を見る »
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2023年5月号
ワルから天職への衝撃の一代記『人生上等!』
ある日僕は自宅の栃木までの宇都宮線車内で本を読んでいた。電車が北関東の玄関口である久喜駅に差し掛かったあたりで、いきなり僕の対面の席でサラリーマン風情のおじさんと座っていた学生が足が当たったとかで取...記事を見る »
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2023年4月号
"光の巨匠たち"のインタビュー集が面白い!
"マスターズ・オブ・ライト"=「光の巨匠たち」。なんと神々しいネーミングなのだろう。デニス・シェファー、ラリー・サルバート編著『マスターズ・オブ・ライト[完全版] アメリカン・シネマの撮影監督たち』(...記事を見る »
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2023年3月号
好奇心を奮わすクラカワーのルポルタージュ集
マーク・フィッシャー『奇妙なものとぞっとするもの 小説・映画・音楽、文化論集』(五井健太郎訳/Pヴァイン)は、二〇一七年に自死した哲学者であり批評家である著者による最後の著作。「奇妙なもの」「ぞっと...記事を見る »
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2023年2月号
世界中の「サッカー民」の人生とルーツが詰まった書
カタールで行われたワールドカップで、日本代表はドイツとスペインを破り決勝トーナメントに進出した。クロアチアにPKで破れ、惜しくも目標のベスト8進出はならなかったが、強豪国に勝利したことで可能性を感じ...記事を見る »
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2023年1月号
「怖い」のに「見たい」ホラーのパラドックスに迫る!
いま、「怖いもの」が人気である。映画館のプログラムをみれば必ずホラー映画のひとつやふたつは上映されている。また動画サイトでは怖い話を講談する怪談師が数多く活躍し、もちろん書籍では小説や絵本、児童書と...記事を見る »
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2022年12月号
教訓から無断公開まで絶版本へのさまざまな思い
書店員だったころ、あるテーマで本を集めようとすると注文できない本が見つかる。出版社に在庫がない「品切れ」である。そして「品切れ重版未定」という言葉に深い溜息をつく。ただの「品切れ」であれば重版(増刷...記事を見る »
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2022年11月号
「色」から「ことば」まで恐るべき『戦争とデザイン』
松田行正『戦争とデザイン』(左右社)は、「戦争と色」「戦争としるし」「戦争とことば」そして「戦争とデザイン」という四つのテーマで、デザインという視点から戦争の負を浮き彫りにする。「ナラティブ戦争」と...記事を見る »
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2022年10月号
日常の中でもう始まっている恐るべき『サイバー戦争』
メールやSNSを見るくらいしか利用しない僕はサイバーな戦争はハッカーが離れた場所にある他人のパソコンのデータを書き換えたり、消したり、フリーズさせたりして相手を困らせる程度だと思っていた。だが、大間...記事を見る »
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2022年9月号
オーウェル『1984』をイメージぴったりの漫画で読む
オーウェルの名作「1984」をグラフィックノベル化した『オーウェル『1984』を漫画で読む』(ジョージ・オーウェル文/フィド・ネスティ編・絵/田内志文訳/いそっぷ社)はまずはそのビジュアルに驚いた。...記事を見る »
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2022年8月号
自宅から真実を暴くベリングキャットの新しい手法
衝撃的なのがエリオット・ヒギンズ『ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』(安原和見訳/筑摩書房)だった。シリアのアサド政府が自国民に化学兵器を使用した疑惑や、二〇一四年ウクライナ東部上...記事を見る »
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2022年7月号
見たくないけど見たい『禁断の世界』が最高に面白い!
最近の心霊動画はすごい。防犯カメラの映像に映った"なにか"や、ひとりでに椅子が動いたり、ドアが閉じたり開いたり、誰かが覗いていたりと、けっこう気軽に怪異を見ることができる。それも際限なく。しかし数こ...記事を見る »
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2022年6月号
アート&デザイン200年の革命的表現を見よ!
松田行正『アート&デザイン表現史 1800s2000s』(左右社)を書店で見かけたとき、オーラをまとった本の出で立ちが目にズギャンと飛び込んできた。ちょっぴり懐に厳しい価格ながらも、全頁フルカラーで...記事を見る »
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2022年5月号
沈没船や遺跡を探る『水中考古学』の世界
一九一五年にイギリス人のシャクルトン率いる南極探検隊が乗船していたエンデュアランス号は南氷洋で海氷に閉じ込められ九ヶ月もの間動けず、結局船は氷に押し潰され沈没した。シャクルトンたち乗組員は船を降り、...記事を見る »
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2022年4月号
「かわりばんこ」に気づかせてくれるグラフィック・メディスン
クラウドファンディングで支援した本が届いた。一月に書店でも発売されたMK・サーウィック『テイキング・ターンズ』(中垣恒太郎・濱田真紀訳/サウザンブックス社)は、エイズパニック下のアメリカで一九九四年...記事を見る »
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2022年3月号掲載
新たな視点で世界を見る八馬智『日常の絶景』
書店の新刊コーナーでそのレトロな装丁が目に止まったのがオリオヴィア・コスキー&ジェイナ・グルセヴィッチ『太陽系観光旅行読本』(露久保由美子訳/原書房)。二〇一八年に出たものの新装版の本書は、昨年ヒッ...記事を見る »
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2022年2月号掲載
物理学者がSF映画をガチで考察する!
書店の新刊コーナーで高水裕一『物理学者、SF映画にハマる』(光文社新書)を見つけペラペラペとページをめくった。タイトルからして「また考証ツッコミ系の本かな」と食傷気味な印象の本だったが、映画『TEN...記事を見る »
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2022年1月号
ヤマビルに新たな光をあてる子どもたちの研究が素晴らしい!
小学生のころ、ヤングジャンプで泉鏡花の『高野聖』が読み切りで漫画化されていて、その中でたいそうデッカいヤマビルが木から落ちてきて纏わりつかれる僧の絵が今でもトラウマになっている。樋口大良+子どもヤマ...記事を見る »