新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2022年8月号
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書評担当者:北上次郎
桂望実の新たな傑作『残された人が編む物語』がいい!
桂望実のベストは、二〇一〇年に上梓された『嫌な女』だと考えているが、それに匹敵する傑作がついに出た。それが、『残された人が編む物語』(祥伝社)だ。 行方不明者捜索協会という民間会社がある。探偵事務...記事を見る »
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書評担当者:すずきたけし
自宅から真実を暴くベリングキャットの新しい手法
衝撃的なのがエリオット・ヒギンズ『ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』(安原和見訳/筑摩書房)だった。シリアのアサド政府が自国民に化学兵器を使用した疑惑や、二〇一四年ウクライナ東部上...記事を見る »
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書評担当者:高頭佐和子
村田沙耶香の短編集『信仰』に心を抉られる!
村田沙耶香『信仰』(文藝春秋)は驚愕の短編集だ。卓越した想像力によって構築された物語の中に入ると、目の前にある世界が揺らぐ。当たり前だと思っていた常識も、そこそこ自信のあった理性も、強固だと思ってい...記事を見る »
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書評担当者:古山裕樹
現実と架空が入り交じる近未来の暗闘『スパイコードW』
福田和代『スパイコードW』(KADOKAWA)は、近い将来を舞台にした、中国の台湾侵攻計画をめぐる暗闘を描いている。 台湾で有名なインフルエンサーの趙は、台湾の離島で中国本土にも近い澎湖島へと招か...記事を見る »
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書評担当者:大森望
新鋭続々登場のアンソロジー2連発だ!
日本SF短篇に新しい書き手が急増している─という話をSFマガジン8月号に書いたんですが、これから紹介する2冊がその証拠。『2084年のSF』(ハヤカワ文庫JA)★★★★は、去年出た『ポストコロナのS...記事を見る »
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書評担当者:藤ふくろう
生命と人生の豊饒を語る大作パワーズ『黄金虫変奏曲』
リチャード・パワーズによる噂の大作『黄金虫変奏曲』(森慎一郎・若島正訳/みすず書房)が、ついに刊行された。4つの塩基から膨大で多様な生命を織り上げる遺伝子と、その謎を解読しようとする生物学を主軸に、...記事を見る »
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書評担当者:吉野仁
『壊れた世界で彼は』の予測不能なひねりが楽しい!
翻訳ミステリの世界は、今世紀に入ってから、ますますワールドワイドになっている。北欧ブームのあと、最近は中国台湾インドなどアジア系が目立つ。いまのところ歴史ミステリが多い印象ながら、これから現代を舞台...記事を見る »