新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
酒井貞道 記事一覧
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2023年5月号
夢の内外で展開する篠谷巧の技に油断禁物だ!
意識不明になった主人公の目を覚ますため、ヒロインが枕元で、高校時代に描かれた、主人公の黒歴史である連作漫画を大声で朗読する。共感性羞恥で読者にもダメージが入りかねないこの鬼畜の所業が、篠谷巧『君のい...記事を見る »
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2023年4月号
年度ベスト級のミステリ『木挽町のあだ討ち』を読むべし!
あらゆる要素が最終章で美しく収斂する、年度ベスト級のミステリが現れた。その永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)は、江戸時代を舞台とする時代小説だ。木挽町にある芝居小屋の裏手で、若侍・菊之助が博徒...記事を見る »
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2023年3月号
青崎有吾の短篇集『11文字の檻』に圧倒される!
『11文字の檻』(創元推理文庫)は、ミステリ作家・青崎有吾の、高密度で幅の広い芸風が読者を圧倒する。 最初の二本は、挨拶代わりの本格ミステリだ。「加速してゆく」は、JR西日本の福知山線脱線事故を題材...記事を見る »
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2023年2月号
米澤穂信『栞と嘘の季節』の不穏なコンビが愛しい!
十代の多感な若者が、切り札──人を殺せる猛毒を手に入れたらどうなるのか? 『栞と嘘の季節』(集英社)は、この問いを追求する。高校の図書委員、堀川と松倉は、図書室でトリカブト製の栞を見つける。校舎裏に...記事を見る »
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2023年1月号
辻堂ゆめ『君といた日の続き』のダメ押し展開がすごい!
《本の雑誌》読者の皆様、お久しぶりの方はお久しぶりです。今月から新刊国内ミステリのガイドを務める酒井貞道です。当ジャンルは今や百花繚乱、種類も豊富で、毎月目移り必至。一緒に楽しんでいきましょう。 で...記事を見る »