新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
柿沼瑛子 記事一覧
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2023年9月号
闘う子供たちの物語キング『異能機関』を一気読み!
二〇二四年に作家生活五十周年を迎えるスティーヴン・キングの最新作『異能機関』(白石朗訳/文藝春秋)は、闘う子供たちの物語だ。まあ、キングのことだからラストは信頼してもいいよね、と思いながらも、ついつ...記事を見る »
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2023年8月号
『暗殺者たちに口紅を』の格好いいばあちゃんにスッキリ!
最近巷では七十代から八十代のおばあちゃんたちが主人公のマンガが売れているそうな。老後の不安の裏返しともいえるが「馬鹿にすんな、あたしたちはまだまだ現役だ!」という無言のプロテストに取れなくもない。ミ...記事を見る »
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2023年7月号
悔恨と哀しみのいりまじる『円周率の日に先生は死んだ』
自慢ではないがわたしは算数も数学も超苦手である。ヘザー・ヤングの『円周率の日に先生は死んだ』(不二淑子訳/ハワカワ・ミステリ文庫)は、タイトルからしてどんな難しい数学の話が出てくるのかと思いきや、苦...記事を見る »
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2023年6月号
アン・クリーヴスの新シリーズ『哀惜』登場!
『哀惜』(高山真由美訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)はぺレス警部でおなじみアン・クリーヴスの新シリーズ第一作である。ノース・デヴォンの海岸でアルコール依存症のホームレスの死体が発見される。事件を担当する警...記事を見る »
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2023年5月号
ちょっと不気味なジュブナイル C・ブランド『濃霧は危険』に驚愕!
クリスチアナ・ブランドはご存じのとおり、英国本格ミステリーの代表的作家であるが、マチルダばあやシリーズという子供向けの童話も書いている。そのもう少し年長版のジュヴナイルが今回の『濃霧は危険』(宮脇裕...記事を見る »
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2023年4月号
キャリア45年の女殺し屋爪角の生きざまを見よ!
ク・ビョンモ『破果』(小山内園子訳/岩波書店)のヒロイン爪角は「ノワール×おばあちゃん?!」という帯の惹句のごとく、キャリア四十五年のベテラン殺し屋である。目立たない老婆であるという外見をいかし、必...記事を見る »
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2023年3月号
「悪」と対決する若造主人公を応援する!
ウィンストン・グレアムの『罪の壁』(三角和代訳/新潮文庫)は一九五五年のCWA第一回最優秀長編賞作品である。主人公フィリップは考古学者の兄がアムステルダムで投身自殺したという連絡を受け、急遽アメリカ...記事を見る »
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2023年2月号
P・ブランチ『死体狂躁曲』の軽味とスピード感が楽しい!
2022年はひと足先に論創社から『ようこそウェストエンドの悲喜劇へ』が紹介され、さらには今回の『死体狂躁曲』(小林晋訳/国書刊行会)と、四作しか残されていない長編のふたつも紹介されてしまうなんて、も...記事を見る »
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2023年1月号
スーシェ『ポワロと私』の「シェラミ」に涙!
デビッド・スーシェ『ポワロと私』(高尾菜つこ訳/原書房)はこの原稿を書いている時点で重版になっているとのことで、ちょっと意外だった。ホームズならともかくクリスティ本人も「うんざり」と公言している、あ...記事を見る »