新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2025年9月号 書評担当者:久田かおり
絶望から希望へ向かう朝宮夕『アフターブルー』に涙!
時々「本屋としてこれを売らずになんとする!」という焦燥に似た衝動に駆られることがある。朝宮夕『アフターブルー』(講談社)はそんな一冊だ。この小説の舞台、株式会社C・F・Cは特殊な業務を請け負う葬祭会...記事を見る »
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2025年9月号 書評担当者:梅原いずみ
真夏におすすめオカルトミステリー揃い踏み!
夏本番より一足先に、百鬼夜行が始まったらしい。6月はオカルト要素強めのミステリが揃い踏みであった。 新名智『霊感インテグレーション』(新潮社)は、ITベンチャー「ピーエム・ソリューションズ」が舞台...記事を見る »
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2025年9月号 書評担当者:大森望
『シナバー 辰砂都市』と47年ぶりの再会
「シナバーへ続く道には、焼け焦げたスクールバスの残骸が点々と連なっていた」という一文がなぜか今も頭に焼きついている。現物が出てこないので記憶が正確かどうかわからないが、SFマガジン1978年7月号の「...記事を見る »
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2025年9月号 書評担当者:橋本輝幸
エネルギーに満ちた呉明益『海風クラブ』が圧巻!
呉明益『海風クラブ』(三浦裕子訳/KADOKAWA)は、台湾の人気作家による新作長編。著者の作品は『歩道橋の魔術師』(天野健太郎訳/河出文庫)を始めとして日本でも近年次々と翻訳されている。二十世紀の...記事を見る »
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2025年9月号 書評担当者:小山正
クリスティーに挑む『9人はなぜ殺される』は問題作だ!
今月はアメリカが舞台の作品ばかりである。 トリッキーな長編『そしてミランダを殺す』等で知られる作家ピーター・スワンソンの新作長編『9人はなぜ殺される』(務台夏子訳/創元推理文庫)は、アガサ・クリス...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:東えりか
芥川賞作家の理想の家探しにワクワク!
毎日の生活を機嫌よく過ごすために、住環境はとても重要なファクターだと思っている。 とはいえ大それた欲望があるわけではない。静かで、まあまあ便利で、それほど手狭ではないこと。それくらいだろうか。三十...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:久田かおり
「正しさ」とは何かを問いかける丸山正樹『青い鳥、飛んだ』
正しさとは、という問いを全力で投げつけてきたのが丸山正樹『青い鳥、飛んだ』(角川春樹事務所)。『デフ・ヴォイス』で知られる丸山正樹の著書にはこの「正しさ」に対する懐疑がいつも見え隠れする。万引き犯を...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:梅原いずみ
新馬場新の直球ミステリ『歌はそこに遺された』に注目!
AI×シスターフッドSFの『沈没船で眠りたい』、ディストピア×ロードノベル『十五光年より遠くない』など、新馬場新はSFジャンルですでに話題の書き手である。謎解き小説の手法を取り込んだ『沈没船で眠りた...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:大森望
スリル満点のSFサスペンスオルダーマン『未来』がいいぞ!
ナオミ・オルダーマンの『パワー』に続く2冊目の邦訳長編『未来』(安原和見訳/河出書房新社)★★★★は、"世界の終わり"をテーマにした近未来SFサスペンス。主人公は、サバイバルのための動画の配信者とし...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:橋本輝幸
ステラーカイギュウと人類との三百年『極北の海獣』
イーダ・トゥルペイネン『極北の海獣』(古市真由美訳/河出書房新社)は著者が七年の歳月をかけて完成させたデビュー作の、フィンランド語からの翻訳だ。本国で高く評価され、二十八の言語に翻訳が決定している。...記事を見る »
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2025年8月号 書評担当者:小山正
怒りの声をあげる女性たちを見よ!
この一ヶ月で、犯罪被害を受けた女性の決意と行動を描く小説を続けて読んだ。男性の暴力と殺人に怒りの声をあげ、生の尊厳を追求する女性たちの物語である。どれも衝撃的な作品だった。 一冊目は、アイルランド...記事を見る »