新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2022年12月号
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書評担当者:北上次郎
一穂ミチ『光のとこにいてね』はきらきら輝く光の小説だ!
きらきら光っている。これは光の小説だ。 たとえば、結珠ちゃんのいなくなった部屋で、七歳の果遠が光を感じるシーンは次のように描かれている。 空いちめんに細長い雲がいくつもいくつも並んで、夕陽を受け...記事を見る »
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書評担当者:すずきたけし
教訓から無断公開まで絶版本へのさまざまな思い
書店員だったころ、あるテーマで本を集めようとすると注文できない本が見つかる。出版社に在庫がない「品切れ」である。そして「品切れ重版未定」という言葉に深い溜息をつく。ただの「品切れ」であれば重版(増刷...記事を見る »
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書評担当者:高頭佐和子
河﨑秋子『介護者D』に不意打ちされる!
涙腺は固い方なのだけれど、最後に不意打ちのような感情の揺れがきて、見事に崩壊した。河﨑秋子『介護者D』(朝日新聞出版)は、年を重ねて思うように動けなくなった家族がいる人なら、その切実さに平静に読めな...記事を見る »
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書評担当者:古山裕樹
堅実さと大胆さが同居した『女副署長 祭礼』を推す!
第一作の舞台は、警察署内という閉鎖空間。第二作の舞台は海辺の小さな町で、こちらも閉ざされた領域だった。 松嶋智左『女副署長 祭礼』(新潮文庫)は、女性警察官の主人公が数々の事件に挑むシリーズの第三...記事を見る »
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書評担当者:大森望
採れたて改変歴史SFアンソロジー『ifの世界線』がすごい!
秋の日本SFアンソロジー祭りはまだつづく。『ifの世界線』(講談社タイガ)★★★★½は、小説現代4月号と10月号に掲載された5作を集めるハイレベルな採れたて改変歴史SFアンソロジー。まさかタイガでこ...記事を見る »
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書評担当者:藤ふくろう
記憶の儚さとしぶとさを描くE・ラスコヴィッチ『アイダホ』
忘れたくなるほどつらい喪失の記憶を、忘れるがままにしておくか、それとも忘却の淵からすくい上げるか。この問いに向かい合う小説、エミリー・ラスコヴィッチ『アイダホ』(小竹由美子訳/白水社)が突き刺さった...記事を見る »
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書評担当者:吉野仁
パルマのダークサスペンス『怪物のゲーム』がいいぞ!
フェリクス・J・パルマ『時の地図』をご存じだろうか。タイムマシンをはじめ、SFの要素をもとにしているが、奇想に満ちた道具立てのみならず、予想を欺き意表をつく話運びの妙など、あらゆる娯楽性をそなえた極...記事を見る »
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