新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2023年8月号
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書評担当者:すずきたけし
『魚と人の知恵比べ』が描くフライフィッシングの奥深い世界
つくづくフライフィッシングとはめんどくさくて捉えどころがなく、そして魅力的な釣りだと、マーク・カーランスキー『魚と人の知恵比べ』(片岡夏実訳/築地書館)を読んで思う。フライフィッシングは英国発祥の毛...記事を見る »
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書評担当者:松井ゆかり
三浦しをんの筆が冴え渡る『墨のゆらめき』がいいぞ!
三浦しをん『墨のゆらめき』(新潮社)は、著者の筆が冴え渡るバディもの。新宿にあるこぢんまりとした三日月ホテルに勤務する語り手の続力(チカ)は、ある夏の日に書家の遠田薫の書道教室を訪れた。ホテルの宴会...記事を見る »
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書評担当者:酒井貞道
森川智喜の粒ぞろいの短編集『動くはずのない死体』をおススメ!
森川智喜『動くはずのない死体』(光文社)は、収録五篇がいずれも粒揃いで全てに触れざるを得ず、結果字数を食うという、ありがたくも嘆かわしい一冊である。冒頭の「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」は、...記事を見る »
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書評担当者:大森望
AIからスーパーヒーローまで短編SF祭りだ!
今月は、国内作品を中心に、年に一度の(?)短編SF祭り。一番手は日本SF作家クラブ編のテーマ別書き下ろしアンソロジー第3弾『AIとSF』(ハヤカワ文庫JA)★★★★。ChatGPTブームのご利益か、...記事を見る »
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書評担当者:石川美南
一〇〇一の断章で描く無限角形が胸を刺す
イスラエル人ラミ・エルハナンは、一三歳の娘を自爆テロで亡くした。パレスチナ人バッサム・アラミンの一〇歳の娘は、国境警備隊員が撃ったゴム弾によって命を落とした。ラミとバッサムはやがて友情で固く結ばれ、...記事を見る »
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書評担当者:柿沼瑛子
『暗殺者たちに口紅を』の格好いいばあちゃんにスッキリ!
最近巷では七十代から八十代のおばあちゃんたちが主人公のマンガが売れているそうな。老後の不安の裏返しともいえるが「馬鹿にすんな、あたしたちはまだまだ現役だ!」という無言のプロテストに取れなくもない。ミ...記事を見る »