新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2025年2月号
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書評担当者:東えりか
驚愕の横領事件を調べ上げた地を這うようなノンフィクション
誰にも迷惑をかけていない。誰も損をしていない。それどころかみんながいい思いをして利益を得て楽に暮らしていける。この暮らしをさせてくれるあの男は神様みたいじゃないか。 窪田新之助『対馬の海に沈む』(...記事を見る »
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書評担当者:久田かおり
深沢仁『ふたりの窓の外』の距離感が心地よい!
愛だの恋だの、騙すだのかけひきだの、そういうあれこれから遠く離れて幾星霜。いまさら新しい関係を始めるなんて面倒くさくてムリムリ。そんな精神安定凪期のオトナでさえこんな関係なら始めてみたいと思ってしま...記事を見る »
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書評担当者:梅原いずみ
シリーズ堂々の最終巻『書楼弔堂 霜夜』に涙で拍手!
完結巻をリアルタイムで迎えられるのは、何ものにも代えがたい喜びである。〈巷説百物語〉シリーズに続き、京極夏彦による〈書楼弔堂〉シリーズは第四巻『書楼弔堂 霜夜』(集英社)にて、堂々の完結だ。 「書楼...記事を見る »
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書評担当者:大森望
飛浩隆『鹽津城』表題作はオールタイムベスト級の傑作だ!
今月は日本SFを代表する作家たちの短編集が揃った。中でもひときわまばゆく輝くのが、飛浩隆『鹽津城』(河出書房新社)★★★★★。贈り主そっくりの花を咲かせるという植木のギフトが夫から届く「未の木」、カ...記事を見る »
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書評担当者:橋本輝幸
ジェスミン・ウォードが描く奴隷制下の女性の過酷な生
現代アメリカを代表する作家ジェスミン・ウォードは、全米図書賞の小説部門を二度受賞した唯一の女性であり、非白人である。彼女の最新長編『降りていこう』(石川由美子訳/作品社)の題名は、ダンテ『神曲』の一...記事を見る »
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書評担当者:小山正
南北戦争を描く犯罪文学の超展開にビックリ!
ああ、なんて崇高な戦争犯罪文学なのだろう! ジェイムズ・リー・バークの長篇『破れざる旗の下に』(山中朝晶訳/早川書房)は、凄まじい暴力と殺人を描く壮大な叙事詩だ。 一八六二年、アメリカ南北戦争が激...記事を見る »