新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2024年12月号
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書評担当者:東えりか
ニューロマイノリティによるムーミン世界の新たな読み解き方
子どもが抱えている生きづらさを大人はどこまで理解できるのか。沢木ラクダ『せんさいなぼくは小学生になれないの?』(小学館一六〇〇円)が投げかけるのは切実な問題である。 ノンフィクションライターの著者...記事を見る »
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書評担当者:松井ゆかり
高瀬隼子『新しい恋愛』の切れ味に唸る!
高瀬隼子『新しい恋愛』(講談社)はタイトルから予想される通り、恋愛にまつわる短編集だ。五編いずれも切れ味が鋭く、一筋縄ではいかない内容となっている。 個人的に印象的だったのは、「花束の夜」。倉岡は...記事を見る »
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書評担当者:酒井貞道
辻堂ゆめ『ダブルマザー』は素晴らしいバディものである!
辻堂ゆめ『ダブルマザー』(幻冬舎)は、変則的なバディものである。二十一歳の娘・鈴が電車に飛び込んで亡くなった馬淵温子が、鈴の遺品として警察から受け取った品には、なぜか柳島詩音という同い年の女性の私物...記事を見る »
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書評担当者:大森望
藤井太洋『マン・カインド』をあっという間に一気読み!
星雲賞の長編部門を獲ったあとで単行本になるのは、この賞の半世紀を超える長い歴史でも、これが初の快挙というか椿事だったらしい(山田正紀の『神狩り』は? と思ったら短編部門でした)。SFマガジン連載版(...記事を見る »
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書評担当者:石川美南
ハリネズミが道路を渡る?中国東北部発の奇妙な成長譚
鄭執『ハリネズミ・モンテカルロ食人記・森の中の林』(関根謙訳/アストラハウス)が面白い。書名は、収録された三作のタイトルを並べただけなのだが、この文字列のヘンテコさに惹かれて手に取った読者を後悔させ...記事を見る »
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書評担当者:柿沼瑛子
『町の悪魔を捕まえろ』の真相に背筋が寒くなる!
ぬわんとワニ町とジル・ペイトン・ウォルシュの新作が前後して出るなんて10月はなんてすばらしい月なんだ! というわけでまずはジャナ・デリオンのワニ町シリーズ八作目『町の悪魔を捕まえろ』(島村浩子訳/創...記事を見る »
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書評担当者:東えりか
縁の下の力持ち校正・校閲の現場ルポ
私たち物書きにとって校正・校閲は命綱である。プロに読んでもらい、誤字脱字、ファクトなどのチェックを受けることで初めて自分以外の人に読んでもらえると安心する。 昨今、こんな大事な仕事が蔑ろにされてい...記事を見る »
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書評担当者:松井ゆかり
君嶋彼方の青春連作集『春のほとりで』が素晴らしい!
若さにはそれだけで価値があるなんて思える人間は単純でいいよね男女交際なんて考えらんないし将来の夢だって決まってる十代ばっかじゃないっつーの...と、呪いに満ちた中高生時代を送った私のような方々にも、...記事を見る »
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書評担当者:酒井貞道
『檜垣澤家の炎上』は永嶋恵美の最高傑作だ!
『檜垣澤家の炎上』(新潮文庫)は、現時点における永嶋恵美の最高傑作と言って良いだろう。大正年間を貫く骨太の一族小説であると共に、その一族に加えられた主人公が、自らの地位をいかに築くかというクールな成長...記事を見る »
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書評担当者:大森望
仏教史をなぞる冗談小説 円城塔『コード・ブッダ』に感動!
全米で400万部を突破、ロマンタジー(ロマンス+ファンタジー)ブームに火をつけたレベッカ・ヤロスのデビュー長篇『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫』(原島文世訳/早川書房上下)★★★★がついに邦訳...記事を見る »
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書評担当者:石川美南
顔のない人々に寄り添うアダニーヤ・シブリーが凄い!
砂漠でギターを爪弾くと、その音は砂に吸い込まれてちっとも響かないのだという。かつて読んだそんな話を、背中に流れる冷たい汗と共に思い出した。 アダニーヤ・シブリー『とるに足りない細部』(山本薫訳/河...記事を見る »
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書評担当者:柿沼瑛子
ホロヴィッツ・シリーズの新機軸『死はすぐそばに』が出た!
アンソニー・ホロヴィッツの新作『死はすぐそばに』(山田蘭訳/創元推理文庫)が出た! 新作が出るたびに、今回は語り手のホロヴィッツがどんなひどい目にあわされるのか楽しみにしている邪な読者は私だけではな...記事を見る »
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