新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
久田かおり 記事一覧
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2025年9月号
絶望から希望へ向かう朝宮夕『アフターブルー』に涙!
時々「本屋としてこれを売らずになんとする!」という焦燥に似た衝動に駆られることがある。朝宮夕『アフターブルー』(講談社)はそんな一冊だ。この小説の舞台、株式会社C・F・Cは特殊な業務を請け負う葬祭会...記事を見る »
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2025年8月号
「正しさ」とは何かを問いかける丸山正樹『青い鳥、飛んだ』
正しさとは、という問いを全力で投げつけてきたのが丸山正樹『青い鳥、飛んだ』(角川春樹事務所)。『デフ・ヴォイス』で知られる丸山正樹の著書にはこの「正しさ」に対する懐疑がいつも見え隠れする。万引き犯を...記事を見る »
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2025年7月号
今日をつないで生きる人々を描く朝倉かすみ『棺桶も花もいらない』
いせひでこの絵本『ルリユールおじさん』で「ルリユール」という言葉を知った人も多いのではないだろうか。それはフランス語で手製本すること、あるいはその職人を表す言葉とのこと。3月に発売された坂本葵『その...記事を見る »
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2025年6月号
佐藤正午『熟柿』に心を鷲掴まれる!
2025年がまだ半分も過ぎていないこの時点で「年間ベスト」などと言っちゃっていいものかどうか悩むけど、とりあえず暫定ベストと宣言したい佐藤正午『熟柿』(KADOKAWA)が心を鷲掴み。佐藤正午は20...記事を見る »
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2025年5月号
逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』が気持ちいい!
デビュー作且つ2022年本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』第15回山田風太郎賞候補となった『歌われなかった海賊へ』この二作があったからこそ生まれた『ブレイクショットの軌跡』(逢坂冬馬/早川書房)...記事を見る »
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2025年4月号
バラエティに富んだ復興支援アンソロジー『あえのがたり』を推す!
2024年1月1日、能登半島を襲った大地震。あれから一年以上経った今も復興未だ道遠し、の能登半島への支援アンソロジー『あえのがたり』(講談社)は加藤シゲアキの直木賞待ち会から生まれた。タイトルの由来...記事を見る »
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2025年3月号
『マイ・ディア・キッチン』の変わってゆく主人公に喝采!
「人には二種類いる。自分を変えることのできる人間と、自分を変えることのできない人間だ」と誰かが言ったとか言わなかったとか。今までの人生を捨てて、新しい一歩を踏み出すにはとても勇気がいる。しかもそこには...記事を見る »
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2025年2月号
深沢仁『ふたりの窓の外』の距離感が心地よい!
愛だの恋だの、騙すだのかけひきだの、そういうあれこれから遠く離れて幾星霜。いまさら新しい関係を始めるなんて面倒くさくてムリムリ。そんな精神安定凪期のオトナでさえこんな関係なら始めてみたいと思ってしま...記事を見る »
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2025年1月号
隣人同士の〝いやんべ〟な距離を描く白尾悠の小説が好きすぎる!
読み終わってすぐの感想が「やばい!めっちゃいい!好き!好きすぎる!」という語彙力のカケラもないものだったのが、白尾悠の『隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい』(双葉社)だ。同じ屋根の下で暮らす隣...記事を見る »