新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
小山正 記事一覧
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2025年9月号
クリスティーに挑む『9人はなぜ殺される』は問題作だ!
今月はアメリカが舞台の作品ばかりである。 トリッキーな長編『そしてミランダを殺す』等で知られる作家ピーター・スワンソンの新作長編『9人はなぜ殺される』(務台夏子訳/創元推理文庫)は、アガサ・クリス...記事を見る »
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2025年8月号
怒りの声をあげる女性たちを見よ!
この一ヶ月で、犯罪被害を受けた女性の決意と行動を描く小説を続けて読んだ。男性の暴力と殺人に怒りの声をあげ、生の尊厳を追求する女性たちの物語である。どれも衝撃的な作品だった。 一冊目は、アイルランド...記事を見る »
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2025年7月号
英国警察小説の剛速球と変化球を受けてみよ!
英国の作家アン・クリーヴスの長編『沈黙』(高山真由美訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)が圧巻だ。英国南西部ノース・デヴォン州を舞台に、マシュー・ヴェン警部と仲間たちの捜査を描く本格ミステリで、シリーズ前作...記事を見る »
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2025年6月号
プロのスパイに、だまされたい!
スパイ小説が好きだ。ジェームズ・ボンドのようなスーパーヒーロー物も良いが、そもそもスパイは人を欺くプロなのだから、その技を著者が読者に仕掛けて、最後にアッと驚く謀略小説だと、もっと良い。かつてはジョ...記事を見る »
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2025年5月号
今明かす「星の王子さま」殺害の真相!
今月もミステリで世界を旅しよう。まずはフランスから。万華鏡のような絵画ミステリ『黒い睡蓮』で知られるミシェル・ビュッシの長篇『誰が星の王子さまを殺したのか?』(平岡敦訳/集英社文庫)は、文学史の謎に...記事を見る »
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2025年4月号
異国情緒の迷宮と謎をさまよう!
前号で『エージェント17』(ハヤカワ文庫NV)という謀略アクション小説を評したら、今度はドイツの作家マルク・ラーベの長篇『17の鍵』(酒寄進一訳/創元推理文庫)が出た。また17! 偶然? それとも陰...記事を見る »
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2025年3月号
ミステリにも甘口と辛口があるのだ!
甘党ファン向けのミステリを先月紹介したばかりなのに、またデザートが素敵な小説を読んだ。S・J・ローザンの〈私立探偵リディア&ビル〉シリーズ最新長篇『ファミリー・ビジネス』(直良和美訳/創元推理文庫)...記事を見る »
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2025年2月号
南北戦争を描く犯罪文学の超展開にビックリ!
ああ、なんて崇高な戦争犯罪文学なのだろう! ジェイムズ・リー・バークの長篇『破れざる旗の下に』(山中朝晶訳/早川書房)は、凄まじい暴力と殺人を描く壮大な叙事詩だ。 一八六二年、アメリカ南北戦争が激...記事を見る »
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2025年1月号
マット・スカダーが探偵人生を語るシリーズ最終作
今月から海外ミステリ評を担当します。よろしくお願いします。最初にご紹介するのは、ローレンス・ブロックの新作『マット・スカダー わが探偵人生』(田口俊樹訳/二見書房)。五十年近く続いた私立探偵シリーズ...記事を見る »