WEB本の雑誌

第6回

 7月。カイトは2歳3ヶ月になりました。さて、ぼちぼち始めねばなりませんな、恐怖の(?)トイレトレーニングを!

 お姉ちゃんの時は保育園で自然に取れたというか、保育士さんが教えてくれていたのでしょう、何の問題もなく自然にするりと取れたのです。うちで教えたことって、特になかったんじゃないかなあ。おもらしもおねしょも5回程度ですみ、そのあとはまったく失敗なし。トイレに関しては、困ったという記憶がほとんどないのです。

 と書いてて、ふと気がつきました。お姉ちゃんが保育園に入ったのは2歳半から。ということは、その後でトイレトレーニングを始めたわけで、2歳3ヶ月じゃまだまだ早いのかも。しかもカイトは当時のお姉ちゃんに比べてのんびりしてるというか、精神面が未発達というか、ぶっちゃけアホっぽいからなあ(笑)。

 でもトイレに座らせる練習は2歳半までにしておかないと、大きくなってからだとトイレに拒否反応を示すという話をどこかで聞いたので、とりあえず始めてみましょうか、とベビー用品店で補助便座を物色。洋式便座の上に乗っけて、子供の小さなおしりがすぽんと便器に落ちないようにするためのグッズですね。アンパンマンがついてるのは高かったので(セコイ)、一番シンプルな、持ち手がついてるだけのものを購入。踏み台もいるんだけど、最初はママが抱っこして座らせてあげることに。

 さっそく便座をセットし「カイちゃん、これカイちゃんのトイレだよ。ここでちっちするの、ちょっと座ってみて!」と誘って座らせてみたところ、持ち手を握りながら上に引っ張り「のばして、のばして~」と催促。あのねカイちゃん、それは伸びないから(笑)。引っ張るのに飽きると、トイレの壁に貼ってあるカレンダーを指差したり、こちらの顔を盗み見ながらウォッシュレットのボタンを押そうとしたり(それだけはやめてー!)、楽しそうにあちこちきょろきょろしてますが……出ない。「トイレにいっといれ~♪」と必死にトイレソングを歌いまくりつつ、5分くらい座らせたけど出ない。飽きてくると「ママだっこ~!」はいわかりました、降ろしますね。

 ここでわかったのです、男女の違い! 女の子って、特に尿意がなくても、とりあえず座るとほんの微量でも出るんですよ。確か尿道が短いから、あまり溜められないせい、という理屈だったと思うんですが。でも、男の子って尿道が長くていっぱい溜められるから、満タンにならないと尿意も催さないし、出ないんですって。だから逆に、出したいと思ったときにはすでに限界状態なわけで、すぐにトイレに行かないとアウトなんですね。女の子は2時間おきくらいに誘えばまがりなりにもちょろちょろっと出るから、トイレってこういうものなんだ、おしっこするってこういう感覚なんだ、というのがつかみやすい。でも男の子は、誘っても本当にしたい時でなければ出ないことが多いわけで、「なんだか意味もなくひんぱんにパンツぬいで座らせられるけど、いったい何?うざいなあ」とトイレ嫌いになる可能性が高い。ということは、男の子の場合は、尿意のタイミングの見極めがなにより肝心になってくる。もぞもぞしてきた瞬間を見逃さないようにせねば! うーん、こりゃお姉ちゃんより難しいかも?

 おしっこの溜まってる朝一番や、お昼寝直後が効果的だというので、そこを狙って1日1、2回誘うようにしてみました。が、朝って忙しいんだよう! お姉ちゃんの「おなかすいたー!早くご飯作って!」コールに答えねばならないし、パパのお弁当作らなきゃいけないし、ゴミ出しの準備しなくちゃいけないし、洗濯機かけなきゃいけないし、花に水やらなきゃいけないし! ちょっと今手が離せないの、待っててカイト!と言っても待ってくれるはずもなし。パジャマの上からさわってみると、ああ、もう紙パンツ濡れてる……。お昼寝直後は機嫌が悪いときが多いので(だいたい泣きながら起きる)、トイレどころではなく、まずはおっぱいで気持ちを落ち着けないといけない。で、沈静化したところでおしりをさわると、やっぱり濡れてる……ダメじゃん!

 が、トレーニングを始めて半月ほどたったある日。初めてトイレでウンチができましたー! やったー! そう、ウンチは見極めがしやすいのです。今まで普通にうろうろ遊んでいたのが突然ぴたっと立ち止まる、もしくはしゃがみこむ。そして眉毛にくっと力が入って顔が赤くなり、「う~ん」といきむような表情になる。この表情、実はものすごく好きなんだけど(笑)、私はひょっとしてヘンタイですか? なんて見とれてる場合じゃない、「カイちゃんウンチ? ちょっと待って、トイレ行こうトイレ!!」と速攻抱きかかえてトイレに直行。ズボンと紙パンツをずぼっと降ろし、補助便座に座らせる。小さなぽんぽんのお腹をマッサージしながら「がんばれ~出るよ出るよ~」とおまじないのように唱えていたら、そのうちいきみ出して…出ました!!

 「カイちゃんすごいじゃない!やったやった!いい子だったねえ!」とここぞとばかりにベタ誉めしてあげたら、すごくうれしそうにニッコリ。そのままおしり丸出しで走っていって「パパみてみて!」次にはお姉ちゃんのところにも走り「おねえちゃんみてみて!」と、かなり満足げ。よかったねえ! さあ、この調子で明日からも頑張ってみよう!

 その翌日は、朝起きぬけのおしっこが成功。ああ、ママうれしいわ~。1回分の紙パンツが浮いた(笑)。が、そのあとは続きませんでした。ウンチが出そうなそぶりの時に誘っても「ダメダメー!」と断固拒否。そのままほっとくと紙パンツにやっちゃう。トイレのほうが出したあともおしりが汚れなくて、気持ちいいと思うんだけど。ま、焦らずにこれからゆっくり慣らしていこうね。

 お姉ちゃんに「トイレの中が殺風景だから、カイちゃんのためにちょっとアンパンマンの絵でも描いてよ」と頼んだら、折り紙を使って、まるで保育園の壁に張ってあるような立派なアンパンマンの紙人形を作ってくれました。うわ、すごくうまい(親バカ)、マジでママはこんなの作れませんよ。フキダシには「トイレはきれいにつかおうね!」とハサミで切り抜いた文字が。「カイちゃんは読めないから、ママが読んであげてね!」とのこと。ありがとうね。カイちゃんもトイレに入るたびにこのアンパンマンを指差し確認してるよ!