WEB本の雑誌

第31回

 また仕事と家事と育児に追われる生活が戻ってきました。1日のスケジュールはだいたいこんな感じ。
朝6時半起床→朝食&パパのお弁当作り、洗濯→お姉ちゃんとパパ出かける→庭の水遣り→8時半、カイトとママは自転車で保育園→9時出勤。
夕方は4時退社→買い物などあれば→カイトの保育園お迎え→5時帰宅、お米を洗う、洗濯物たたみ(取り込みは先に帰宅してるお姉ちゃんの係)、保育園での汚れ物洗濯→6時過ぎ夕食作り→7時夕食→8時半お風呂→9時半カイト就寝→10時過ぎキッチン片付け、ネット、読書他→11時半お風呂→12時過ぎ就寝。

 確かに時間に追われて何かと忙しいけど、フルタイムの頃に比べると、家のことはずっとラク。やはり5時に帰宅できると、夕方に家事ができるので、主婦としては大助かりです。それに週4日出勤だし。仕事と家事の時間配分としては、実にちょうどいい感じです。でも歩くのはめっちゃ早くなりました(笑)。カイト出産後はすっかり体力が落ちて、ちょっと早く歩こうとすると脇腹が痛くなってしまい、もう昔のように早足で歩くことはできないのか、と思っていたのに。人間、必要に迫られればなんでもできるものですね。毎朝毎夕、フルスピードで駅を闊歩しております。1分でも早く会社に着かなくちゃ! カイトが待ってるから早くお迎えに行ってあげなくちゃ!

 しかし、家事に余裕ができた分、今度は逆に仕事がキツくなりました。ざっと計算してみたのですが、お昼の休憩とレジタイムを除いて、純粋に文芸書の仕事ができる時間は、フルタイム時代には週35時間あったのです。それが今は、週たったの18時間! それも、延長保育申請時間より微妙に早めにカイトを保育園に突っ込み、猛ダッシュで自転車こいで、規定の時間より30分早く出勤するという裏技を使って。これ以上は物理的にどうやっても時間は捻出できない。同じ仕事量を、以前の半分の時間でこなさなければいけないのです。こ、これはキビシイ……。効率よく、ムダを省いて猛然とやらないと、とても終わりません。仕事のやり方をイチから変えねばと、今、いろいろ模索中です。本屋の仕事も在宅でできればいいんだけどなあ。でも家で自店在庫は見られないので、せいぜい夜にネットで出版社に発注する程度。

 あちらを立てればこちらが立たず。よく「仕事と家事の両立」と言いますが、人間、カラダはひとつしかないんです。一度にひとつのことしかできないのですよ。レジに立ちながら我が家のお皿は洗えません、当たり前だけど。どちらかの時間を削るしかないのです。仕事に重点を置けば家事にひずみが来るし、家事に時間を多く割けば今度は仕事がキツくなる。結局、どちらも完璧にやるなんてとうてい無理なのだと悟りました。今回、私は仕事がキツイほうの道を選んでしまったのですが、まあ自分で決めたのだから、なんとかやるしかないですね。

 いっぽう、カイトですが。保育園1週間目にして、さっそく熱を出してくれました。夜、抱っこしたときになんかカラダが熱いぞ?と思って計ってみたら38度! ぎゃぼー!マジかよ!(涙)明日はお休みか?と思いきや、翌朝には36・7度に。咳や鼻水は出てないので、風邪というより疲れかも。カイトもいきなり慣れない環境に突っ込まれたんだもんね、そりゃストレスと疲労で体調も崩すよね。本人に聞いてみると「ほいくえん、いきたい」というので、連れて行くことに。まあ保育園から呼び出し電話が来たら、そんときゃそんときだ。

 と思ったらさっそく朝10時に保育園から電話。ああ、やっぱりダメだったか……。あらかじめお願いしていた実母に電話して、1日面倒を見てもらう。これがねえ、なんといっても働く母にとって最大のネックなんですよね。子供の病気。幸い、我が家は父方と母方両方の祖父母が近くにいるので、その点は大いに助かっているのですが。夕方実家に迎えに行くと、カイトは家では熱もなく元気にしていたとのこと。ほっ。

 そう、カイトは熱が出ても行きたいというくらい、保育園大好きっ子になりました。そりゃあ楽しいよね、お友達がいっぱいいて、毎日違う遊びができて、いろんな体験ができるんだもの。児童館で他の子が踊ってても絶対におゆうぎしない、絵本の読み聞かせも聞かない、というくらい超マイペースな子だったので、ちゃんと団体生活できるのかなあ、と若干の不安はありましたが、なんとかこなしているようです。

 毎朝、保育園に行くのが楽しみで、家で自分の朝食を食べ終わると、「ママ、じゃあもう、いこっか!」とカイトひとりでさっさと玄関に行ってしまうほど。保育園に着くと、だだだっと走って自分の教室に入り、すぐにお友達の遊びの輪に入って、もうママになんか目もくれないという有様。まあ、「ママいかないで~!」ってしがみついて泣かれるよりずっといいけどね。

 しかし、朝は颯爽としているカイトですが、夕方お迎えに行くと、週2回ほどはママを見るなりめそめそ泣き出します。ぎゅっと抱きついて、「カイ、ママいなくてさみしかった……」と何度も何度も言うのです。「そうか、ごめんね、もうママ来たからね、おうちに帰ろうね」というとやっと泣き止んで、今度は周りで遊んでるお友達を無差別につかまえては「カイ、ママいなくてさみしかったの!」と言いまくります。言われた子はキョトン(笑)。そらそうだ、今までカイトと遊んでたわけでもないのに、いきなりそんなこと言われてもねえ。ごめんね。でもカイトはけっこう有名人らしく、帰ろうとすると園庭のあちこちから「カイトくん、バイバーイ」といろんな年齢のお友達から声をかけられます。もう名前覚えてもらったんだ、よかったねえ、カイト!