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第36回

 保育園は、お正月3が日が過ぎたらもう冬休みは終わり、1月4日からスタート。父母の仕事始めと一緒です。しかしカイトは冬休みの間にすっかり休み癖がついてしまい、「ほいくえん、いかない~!」と朝から号泣。しかし無理やり保育園に連れて行く鬼っ母。まだ仕事休みのおうちが多いのか、来てる子供はいつもよりずいぶんと少なくて、保育園はガラガラ。別れ際も「ママー!!ママー!!」と泣きわめいてしがみつくのをむりやりひきはがし、担任の先生に託して出社。許してくれ、カイト……。

 夕方、「カイト大丈夫だったかなあ、泣いてないかなあ」とすごく心配しながらお迎えにいくと、なんとカイトはニッコニコ。「ああ、ママ!」なんて余裕の笑顔。あれれ、ずいぶんとご機嫌じゃないですか。先生によると「今日は人数が少なかったから、全クラス合同だったんですよ。カイトくん、上のクラスのお兄ちゃんお姉ちゃんたちといっぱい遊んでもらって、1日じゅう大喜びだったんですよ」。なるほど、そういうことか。カイトはクラスの中では一番おちびちゃんなせいか、同じクラスの3歳児の子たちと遊ぶのはまだイマイチうまくできないようなのです。ゆずりあいとかができなくて、ぶつかっちゃうんでしょうか。でも、1つ2つ上のクラスの子たちとだと、ずいぶんとかわいがってくれるというか、上手に相手してくれるようで、それだとカイトはとても楽しく過ごせるらしいのです。この年齢だと、1歳の違いは大きいですからね。まあ何はともあれ、ご機嫌でよかったわ。ママ、ほっとしたよ。

 しかし帰宅後、連絡帳を見て「ぶっ」と吹き出しました。時々先生が、園での子供の様子を書き記してくれるのですが、その日は「お正月休みにしたこと」をひとりずつ発表したそうなのです。で、カイトはなんと「ママと○○マート(近所のスーパー)にいって、にんじんをかいました」と発表したそうで。ちょっと待てカイト、「みんなで、はつもうでに行きました」とか「おみくじをひきました」とか「わたあめをかいました」とか、もっとお正月っぽいネタがいろいろあるだろう。な、なぜ「スーパーでにんじん」?(笑)そもそもあそこの店は年始はずっとお休みで、行ってないじゃん! そりゃまあ普段はよく行くけどさあ。子供の発想ってホントおっかしいですよね。さぞかし先生もウケたことでしょう。あ~、他の子供たちの発表も聞いてみたかったなあ。きっと爆笑発言がいっぱいあったのでは。

 カイトは最近、やたらと自分で「カイトはね、もうおにいちゃんになったんだよ」と自慢げに言うようになりました。保育園で何か教えられたのかな? 数えてみれば、あと3ヶ月で4歳なんだよね。いやあ、大きくなったなあ。秋口に買ったときには「んー、ちょっと長すぎるかな? 裾、折っとかないとダメかな?」と思ったズボンが今やちょうどぴったりだし。体重も16キロになり、同じく秋に買ったスティッチの靴も「ちょっときつい~」とか言ってたし。ああ、また春になったら洋服まるごと買い替えだなあ。1シーズン限りなんてもったいないという気もちょっとするけど、でも着実に成長しているということを実感できるのは、親としてはなんともうれしいです。

 とはいえ、実際はママが横にいないと眠れないし、トイレもお風呂もママとじゃないとイヤだって言うし、すぐ胸に手を突っ込んでくるし、ときどきおしっこ漏らしちゃうし、ひらがなは半分も読めないし、とまだまだ「おにいちゃん」とはとうてい言いがたいマザコン息子ですが(笑)。もうすぐ4歳、ってことも全然わかってないっぽいし。でも口だけは達者になって、お姉ちゃんが学校での出来事を話し始めたりするとすぐに話に割って入り、「ママ、カイトね、きょうね、しょうがっこうにいったんだよ」とか言い始めるし。や、キミは学校はまだですから! 「ママ、きょうのごはん、なに? カイトはねえ、ホットケーキごはんがいい!」それはご飯じゃなくておやつだろ! 「じゃあ、やきそばパンマンごはんで!」あー、つまり焼きそばですか? パパがスパゲティを作ってくれた時は、自分にもできるんだと対抗意識を燃やして「ママ、こんどね、カイトがね、いちごスパゲティつくってあげる。あと、りんごスパゲティと、バナナスパゲティと、パイナップルスパゲティも!」うっわあ、すごそうだね、それ。

 やたらヘンテコな言い訳もするようになり、「カイト、きょう、おふろはいんない! だって、いま、テレビみなくちゃいけないから」とか「いま、カルタやらなくちゃいけないから」とか言い出すし。必死に理屈をひねり出すところがまた笑えるんだよなあ。

 お風呂といえば、彼は最近、「お風呂に入ると手がふやける・でも時間がたつと元どおりになる」ということを発見しました。お風呂上りにじっと手を見ているので、どうしたのかなと思ったら「ママ、手が、ヘンになっちゃった~」しばらくたつと「ママ、手がなおった~」。最初に手のしわしわに気がついたときは、マジびっくりして、すごく不安げな顔をしてました。その様子がなんともおかしくて。しかし、元通りになると、ほっとした顔に。子供にとっては、まさに日々が発見の連続ですね。