特別編
■カフェ・ビエンチャン【臨時】営業中! 2009
さて今回からしばらくは、発作的に決めてしまったカフェ・ビエンチャン臨時営業についての発作的報告を現地より実況。ではでは。
●二月四日(水)
雪祭りを翌日に控えた厳寒の札幌を発つ。午後2時10分千歳発・大韓航空。ソウル経由でバンコクまで。
早朝。鋼鉄の妻を仕事に送り出し、部屋を掃除。猫に餌を与え、ついでに朝食で炊いた余りご飯でお握りを二つ。その握り飯を空港待合室で食べる。小学生の遠足でもあるまいと思うが、明太子の具がすこぶる旨く感涙。向かいに座る韓国人が奇異な目で見る。
バンコク・スワンナプーム空港には現地時間で深夜1時10分着。早朝発のウドンタニ行きの便に乗るため、バンコク市内には出ずにそのまま空港ベンチでゴロ寝。冷房の効きすぎで寒い。雪祭りの夢は見なかった。
●二月五日(木)
午前7時10分発のエア・アジアにて北部の町ウドンタニへ。約50分。ここからバスで2時間も走ればビエンチャンだ。ちなみに航空運賃は片道約780バーツ。日本円で2000円弱。日本国内の航空運賃は頭がおかしいとしか思えないと改めて思う。
ウドンタニ市内から出ているビエンチャン行き国際直行バスでビエンチャンへ。80バーツ。約200円。晴れ。思いのほかに涼しい。というよりも寒いほど。ビアラオを美味しく飲むために影響は? 不安がよぎる。
午後1時半。ビエンチャン・タラートサオ横のバスターミナルに着く。そのまま歩いて、今回カフェ・ビエンチャンが臨時営業することになるブルースカイ・カフェに。
街なかをてくてくと歩く。一年半振り。道路も良くなり走る車も増えてはいるが、ノンビリまったりとしたビエンチャン独特の空気は変わらず。久しぶりに来たという感慨もわかず、まるで日本にいた一年半がなかったかのよう。そう。この馴染みやすさ馴れ馴れしさこそがビエンチャンなのである。
ブルースカイに着き、まずはビアラオで一人乾杯。オーナーであるカメちゃんこと亀田さんは、別の仕事を持っており昼間は不在。
とりあえずブルースカイにある部屋を使わせてもらう。

夕方。カメちゃん帰宅。さらにカフェ・ビエンチャンの力強き助っ人であったアラ厨房・店舗主任も自転車に乗ってやって来る。現在はビエンチャンにある日本大使館勤め。
「さあ、アラさん! ビールだあ!」
おれは叫んだ。
「はいいっ!」
と応えるアラ主任。カフェ・ビエンチャンの厨房で仕事が一段落したときのやり取りである。心地よい響き。一年半という時間の隔たりが嘘のようだ。
店の大常連で助っ人でもあったヨシダはるか嬢もやってきてビールの輪に。彼女も仕事でいまだにビエンチャン在住だ。
さらにエビ博士のバルタン伊藤。洒落たカフェをやっているオカダ若夫婦も顔を出す。奥さんが相変わらず可愛い。
後は当然のように酒、酒、酒。そして泥酔。
●二月六日(金)
午前中は快調だったが、昼過ぎに突然の二日酔いに襲われゲロを吐く。十日の開店準備をしようと思っていたができずダウン。
「おおお!」
夕方。でかい声をあげて現れたのは、カフェ・ビエンチャンを作っているときに何かと顔を出して遊んでくれた大阪おやじの山口さん。ちょうどタイを旅行中とのことでカフェ・ビエンチャン臨時営業を聞きつけ駆けつけてくれたのだ。嬉しいではないか。
「お待たせしました!」
アラ主任とヨシダ嬢も連夜のお出まし。
「昼は何してたんですか」
「ゲロ吐いて寝てた」
「わたしたちは絶好調ですよ!」
「歳でんがな!」
山口おやじがフォローしてくれる。
「わああ! 変なオヤジが来てる!」
おれを指差しながらやって来たのはヨシエちゃん。東京にあるラオス向け旅行代理店の専務である。カフェ・ビエンチャンにはよく顔を出してくれた酒好き。専務なのに美女である。美女だが口が悪い。
「悪かったですね、変で」
「ははははは」
豪快に笑うヨシエちゃんの会社は東京にある。今回はお仕事でビエンチャンに。
「どうも」
ストロング西山さんが現れる。柔道の猛者。しかし声は小さい。
「さあ、飲みますよ!」
ここにきて二日酔い完治。
酒、酒、酒。そして今宵も泥酔。
●二月七日(土)
この日は朝からゲロを吐き一日中起きられず。またまた開店準備も料理の仕込みもできず終わる。
●二月八日(日)
カメちゃんが昼間勤めている会社の人たちがブルースカイでパーティを開くというので、焼肉の仕込みを頼まれる。昨日からの体調の悪さがまだ尾を引いてい る。しかし仕事が休みのアラ主任がしっかりとサポートしてくれ事なきを得る。さすがアラ主任! トンカンカム市場に買出しに行くと、売り場の小娘やおば ちゃんたちが次々と声をかけてくれる。覚えていてくれたのだ。素直に嬉しい。
しかし楽しんでばかりもいられない。肝心のカフェ・ビエンチャン臨時開店の準備は今日も一切できなかったのだ。最初の開店の頃を思い出した。あのときも開店するすると口にしながら、ずるずると数カ月を無駄にしてしまったのだ。そういう運命の元に生れた店なのか。
●二月九日(月)
体調完治。明日の開店のため料理の仕込みをしようと立ち上がるが、メニューが浮かんでこない! 料理のアイデアが出てこない! 台所の天才がただの凡才。愕然として、夜ビアラオを飲む。明日は開店だ。どうなる! カフェ・ビエンチャン!
さて今回からしばらくは、発作的に決めてしまったカフェ・ビエンチャン臨時営業についての発作的報告を現地より実況。ではでは。

雪祭りを翌日に控えた厳寒の札幌を発つ。午後2時10分千歳発・大韓航空。ソウル経由でバンコクまで。
早朝。鋼鉄の妻を仕事に送り出し、部屋を掃除。猫に餌を与え、ついでに朝食で炊いた余りご飯でお握りを二つ。その握り飯を空港待合室で食べる。小学生の遠足でもあるまいと思うが、明太子の具がすこぶる旨く感涙。向かいに座る韓国人が奇異な目で見る。
バンコク・スワンナプーム空港には現地時間で深夜1時10分着。早朝発のウドンタニ行きの便に乗るため、バンコク市内には出ずにそのまま空港ベンチでゴロ寝。冷房の効きすぎで寒い。雪祭りの夢は見なかった。
●二月五日(木)
午前7時10分発のエア・アジアにて北部の町ウドンタニへ。約50分。ここからバスで2時間も走ればビエンチャンだ。ちなみに航空運賃は片道約780バーツ。日本円で2000円弱。日本国内の航空運賃は頭がおかしいとしか思えないと改めて思う。
ウドンタニ市内から出ているビエンチャン行き国際直行バスでビエンチャンへ。80バーツ。約200円。晴れ。思いのほかに涼しい。というよりも寒いほど。ビアラオを美味しく飲むために影響は? 不安がよぎる。
午後1時半。ビエンチャン・タラートサオ横のバスターミナルに着く。そのまま歩いて、今回カフェ・ビエンチャンが臨時営業することになるブルースカイ・カフェに。
街なかをてくてくと歩く。一年半振り。道路も良くなり走る車も増えてはいるが、ノンビリまったりとしたビエンチャン独特の空気は変わらず。久しぶりに来たという感慨もわかず、まるで日本にいた一年半がなかったかのよう。そう。この馴染みやすさ馴れ馴れしさこそがビエンチャンなのである。
ブルースカイに着き、まずはビアラオで一人乾杯。オーナーであるカメちゃんこと亀田さんは、別の仕事を持っており昼間は不在。
とりあえずブルースカイにある部屋を使わせてもらう。

夕方。カメちゃん帰宅。さらにカフェ・ビエンチャンの力強き助っ人であったアラ厨房・店舗主任も自転車に乗ってやって来る。現在はビエンチャンにある日本大使館勤め。
「さあ、アラさん! ビールだあ!」
おれは叫んだ。
「はいいっ!」
と応えるアラ主任。カフェ・ビエンチャンの厨房で仕事が一段落したときのやり取りである。心地よい響き。一年半という時間の隔たりが嘘のようだ。
店の大常連で助っ人でもあったヨシダはるか嬢もやってきてビールの輪に。彼女も仕事でいまだにビエンチャン在住だ。
さらにエビ博士のバルタン伊藤。洒落たカフェをやっているオカダ若夫婦も顔を出す。奥さんが相変わらず可愛い。
後は当然のように酒、酒、酒。そして泥酔。
●二月六日(金)
午前中は快調だったが、昼過ぎに突然の二日酔いに襲われゲロを吐く。十日の開店準備をしようと思っていたができずダウン。
「おおお!」
夕方。でかい声をあげて現れたのは、カフェ・ビエンチャンを作っているときに何かと顔を出して遊んでくれた大阪おやじの山口さん。ちょうどタイを旅行中とのことでカフェ・ビエンチャン臨時営業を聞きつけ駆けつけてくれたのだ。嬉しいではないか。
「お待たせしました!」
アラ主任とヨシダ嬢も連夜のお出まし。
「昼は何してたんですか」
「ゲロ吐いて寝てた」
「わたしたちは絶好調ですよ!」
「歳でんがな!」
山口おやじがフォローしてくれる。
「わああ! 変なオヤジが来てる!」
おれを指差しながらやって来たのはヨシエちゃん。東京にあるラオス向け旅行代理店の専務である。カフェ・ビエンチャンにはよく顔を出してくれた酒好き。専務なのに美女である。美女だが口が悪い。
「悪かったですね、変で」
「ははははは」
豪快に笑うヨシエちゃんの会社は東京にある。今回はお仕事でビエンチャンに。
「どうも」
ストロング西山さんが現れる。柔道の猛者。しかし声は小さい。
「さあ、飲みますよ!」
ここにきて二日酔い完治。
酒、酒、酒。そして今宵も泥酔。
●二月七日(土)
この日は朝からゲロを吐き一日中起きられず。またまた開店準備も料理の仕込みもできず終わる。

カメちゃんが昼間勤めている会社の人たちがブルースカイでパーティを開くというので、焼肉の仕込みを頼まれる。昨日からの体調の悪さがまだ尾を引いてい る。しかし仕事が休みのアラ主任がしっかりとサポートしてくれ事なきを得る。さすがアラ主任! トンカンカム市場に買出しに行くと、売り場の小娘やおば ちゃんたちが次々と声をかけてくれる。覚えていてくれたのだ。素直に嬉しい。
しかし楽しんでばかりもいられない。肝心のカフェ・ビエンチャン臨時開店の準備は今日も一切できなかったのだ。最初の開店の頃を思い出した。あのときも開店するすると口にしながら、ずるずると数カ月を無駄にしてしまったのだ。そういう運命の元に生れた店なのか。
●二月九日(月)
体調完治。明日の開店のため料理の仕込みをしようと立ち上がるが、メニューが浮かんでこない! 料理のアイデアが出てこない! 台所の天才がただの凡才。愕然として、夜ビアラオを飲む。明日は開店だ。どうなる! カフェ・ビエンチャン!