« 前の記事 | 最新 | 次の記事 »

第20回:~ごめんなさい。心からの謝罪をみえない貴方に~

 
 いや~ちょっと大変…?!
 何が大変かというと、私の知らない所で私の売り場が議論になっているようで。
 
 とあるコミックを通常とは違う場所に展開した所、かねてからのその作品のファンの方が「その本をアノ場所で売るのはどうかと思う」と発言され、またその意見に別の方からのそれに対する反対のご意見のようなものも重なり、私の知らない所でちょっとだけ話題になっているようなんです。先日業界関係者からそのお話を聞いてびっくりしました。私自身、その方々から直接のご意見を頂いた訳ではないので、細部まで把握することが出来ない状態なのですが、どんな形でもプロとしてお客様に不快な思いをさせてしまったことに反省の気持ちを深く感じています。ごめんなさい。
 
 売り場の展開だけでなく、本と一緒に書いたPOPも時に人を傷つける武器にもなります。私の書くPOPは勢いがあり、その勢いを各方面で取材などで取り上げもらうことも多いです。でも根本的にお客様に本を手にとっていただくための“道しるべ”的な役割なので“本を売ること”以上にこちらもお客様に楽しんでいただけるのが一番大切だと思っています。もし私の書いたPOPで傷ついてしまった方が過去にもいたら こちらの場所を使ってお詫びしたいと思います。ごめんなさい。ごめんなさい。
 
 こういった、少し足を止めて反省をすることは仕事をする上で何度もあります。ちゃんと考えておかないと、次に何か展開する時に怖くて何も出来なくなるから。実際、今も怖いです。お店にあるセレクトした本たちを全て返品したくなるくらい怖い!!POPも全て引き上げて、二度とペンを取りたくない気持ち…。
 
 じゃあ、その本は、上記のような展開で売れたのか?というと、物凄く売れました。まだブレイク前の口コミ状態のタイトルなので、探している方も多かったらしく、売り場をほんの少し工夫するだけで5冊が150冊に化けたのです。不快な思いをさせてしまった方には本当に申し訳ないと思っているのですが、本の売り上げは作者の方にも出版社の方にも、もちろん書店にも大切な事なので、そこをご理解いただきたいとも思います。今まで欲しくても探し出せなかったお客様に、分かりやすく本を展開する事。これもプロの書店員の大切な仕事なのです。
 違う売り場でのテスト販売は出版社さんも公認の展開なので、すぐに事のあらましを関係者の方々にもお伝えして一応こちらにもお詫びを申し上げました。もうすぐ続刊の新刊が出る予定です。すでに複製原画も頂いてるので、また違った形でこの本を応援できたらいいな。出版者さんから「一冊でも多く売ってください」と改めて言われ、私も「頑張りますので売らせてください」と意思表明をした8月の暑い夏。
 
 どんな大義名分を振りかざしたところで、個人的に批判されると無条件に凹むのが人の心。批判した方も書かざるおえないくらい嫌だったんだろうなぁと思うとまた二重の凹み。
 今回の件に限らず批判や批評を受けることは、少し派手な事をするとかならず付いてきます。それと同じ数褒めていただいたり、感謝されたりもします。物を売るという作業は実は恐ろしくエネルギーがいるものなので、その余波も大きいです。…色々ムツカシイですね。
 マイナスの感情を向けられると、自分も引きずられてどんどんダークネス・リエコが出てきます。これはイケナイ。そんなとき、私がやること。
 それは 主役である「売りたい本」にもう一度向き合うこと。表紙とにらめっこして、じっくり対話をします。何度も読み返した内容をもう一度丁寧になぞり返します。初心に戻り、出合ったときに感じた本の素晴らしさを確認をするのです。そうすると色々な交渉事や軋轢に疲れた心がスーと軽くなります。また頑張ろう!って思えるの☆
 
 コミック内だけでなくコミックと児童書と文庫と一般書の隔たりをなくしながら「バッテリー」絶賛応援中です。こちらは十年間ずっと応援していた方々が大勢いらっしゃるタイトル。新参者の私が騒いだことで各方面に迷惑がかからないよう慎重にがんばらねば。大人も子供も、お姉様も、業界関係者もみんなで盛り上がっていけたら良いですね。まだまだ応援の規模は大きくなる予定ですよっ。お楽しみに☆
 連日、多くの方に山下のバッテリーコーナーはご来店いただいております。ありがとうございます!! 展開にあたり、文庫の(1)(2)巻を各200冊位と、文庫の(1)(2)巻の続刊のハードカバーの(3)巻を多めに仕入れたのですが、なんとハードカバーの(1)(2)巻が一時品切れに! こちらは挿絵も多いので買いなおす方がいらっしゃるんですね。急いで追加しました。過去のあさの先生のインタビューが載った雑誌のバックナンバーもあっという間に品切れ。もうスグ大量に入ります。お待ち下さい。バッテリー以外のあさの先生の本では講談社の「№6」が人気有り。少し大人向けです。
 業界内でもバッテリーコーナーが熱い!と話題になってきております。山下のバッテリーコーナーは客層に合わせて20歳~の女性向けにアレンジしています。他の本屋さんはどんな感じなのかな? 凄く気になります~。
 バッテリーファンの皆様、書店バッテリー応援団の皆様、お時間がありましたらご様子をメールでお知らせ下さいな。こちらのWEB上のメールアドレスで「新宿のお嬢・バッテリー応援中☆」宛で。(←あ、勝手に決めちゃったよ。HP関係者の皆様よろしくお願いします)

« 前の記事 | 最新 | 次の記事 »

記事一覧