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第22回:~知られざる書店員業務(私の場合)~

 火曜日の15時、この原稿を書いている時間です。(おしい! 歌の様に“水曜の午後3時”とはカッコよく決まらないものですね)。今日はお休みDAYです。
 私は月に何度かは原稿などの書き物のお仕事をお受けしようと頑張っているのですが、主に「書店員」のお仕事の時間“外”に仕上げています
 お店に出ている時間には、忙しくて忙しくて…動き回って「あっ」という間に一日が過ぎていきます。今日は簡単に本屋さんのお仕事を書いてみようと思います。
 
 私の仕事は大きく3つに分けられます。
・ 出版社さんとのお話をする「営業職」
・ 売り場を造る「職人職」
・ お店を管理する「販売職」

 私の売り場には一日平均3~6人の出版社の営業さんがいらっしゃいます。新刊のとか在庫の補充とかのご相談にのってもらう大切な意見交換の場です。取り次ぎさん(本の流通会社)の新刊情報や、ランキング情報も仕入れには役に立ちますが、「何処よりもはやく、最先端の情報を!」とこだわるならば、この出版社の営業さんありきではないでしょうか? 温和な談話の中でも“狸と狐の化かしあい”さながらの交渉が展開されます。
 この場でオリジナルのフェアなどが決定します。(ちなみに全然知らない出版社さんへも必要であれば、突撃営業!なお電話を私はおかけします。自分からもGOGO!です)

 そして細かい仕入れとディスプレイの腕が鳴る「職人職」へ。
 日々の細かい本の補充と合わせてPOPを書いたり、売り場を飾りつけしたり、すっごい楽しいお仕事☆ 同時に、売り場に出すまでに、リストをあげたり、コミックなら本をパックしたりと下準備が大変なエリアです。なので、ズラッと本を並べ終えると凄い満足感があります。

 最後に「販売職」。レジのヘルプ、アルバイトさんを指導、レシートなどを補充の庶務、問い合わせなどの接客…などお店を営業する上でとっても重要な分野です。
 皆さんがイメージする「本屋さん」というのは主にこの分野のお仕事ではないでしょうか?
 
 私は、これら全てを潤滑に回す事が「書店員」の基本職務だと思っています。
 その上で、たとえば「営業職」の交渉が得意でサイン会やイベントを誘致できる書店員がいるなら、そのお店は読者の話題や興味を引く対象になります。プロの職人がいるお店ならPOPやディスプレイで話題になるでしょう。もちろん「販売職」に優れた店員がいるとお店の内部の雰囲気が良くなり、お客様にもそれが伝わって売り上げに直接貢献するはずです。
 
 逆に言うならば「どれか一つだけ得意でも、書店員としては半人前」だと感じています。良い書店員はコミニュケーション能力に優れ、人間性豊かなバランスの取れた「大人」の人間なのでしょう。
 まだまだ一人前には遠い道のりですが頑張ります☆
 
 さて、書店員の地道な作業とは別のベクトルで、マスコミなどで「カリスマ書店員」という言葉が耳になじんできたこの頃。自分の得意分野を理解し、より効果的に活動を世の中に出す事ができるとこう呼ばれるのかも知れません。という事は、誰でも「カリスマ」になれる可能性がある職種だとも思います。これから書店員を目指す方がいたら是非この「カリスマ」にも挑んでみてはいかがでしょうか? 業界は新たな才能と話題に飢えてもいるのです。


 
 追伸:

 「バッテリー」熱烈応援中の私くしですが、またもや凄い事がおこりました!
 バッテリーと並ぶ話題作、あさの先生の最新作「THE MANZAI」の(2)巻が発売。1ヶ月前に発売元のジャイブの営業さんがお店にいらしてご挨拶いただきました。
 その際に「サイン本はいかがですか?」との事。「も、も、もちろん欲しいデス!」とお答えした所、後日50冊サイン本が到着!!
 ひえ~ごじゅう?! 凄い数です。確かに「いただけるサイン本はストックにしないで全て店頭にディスプレイしますー」とは言いましたが、この大判振る舞いにビックリビックリ。出版社さん気合入ってます♪
 事前に「あさの先生にご負担にならない数でお願いします」と伝えておいたのですが負担にならないわけないですよね。先生ありがとうございました。お約束通り、ズラッと店頭に並んでおります! 
 並べている時にコーナーに来てくれたファンの方が「ギョッ」として急いで本を手に取っていたのが印象的でした☆
 
 書店員の「こだわり」って時に凄い事起こすケド、出版社さんの「こだわり」ってのも灼熱な事が多いです。
 真剣勝負ならぬ真本勝負でがんばります。

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