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連載第22回  9月その1

9/頭
申し込み締切が九月末の各社夏フェアですが、フェア台からは撤去し、棚前に移動。夏のダメっぷりを忘れて再出発するチャンスだわ、と前向きに考え秋のフェアに入替。
光文社は「クロスファイア」文庫化に備えて小説でフェア展開。カッパ先生→青い虫ときて秋はチャップリンが大将のようです。祥伝社は円形のポップ(ゴロゴロ転がるようになってます)がめずらしく、キャアっと、皆で。

とはいえ、夏の反省として、文庫の送り付けフェアってのは隣のお店も同じ本を並べてるってことだもの、やっぱりどっかしら違うトコ見せてかなきゃいかんよなーと痛切に。どーしたもんだかなー。

9/3(火)
文春文庫新刊。浅田次郎の「壬生義士伝」が文庫化。単行本がまだまだ売れてるのに文庫化ってのは贅沢。
ほか、川上弘美の「溺レる」。この”レ”には何度泣かされたことか。検索システムに頼らないと本を探せない子たちに「そんな本、ないです」と言わせるためにこの“レ”はあるに違いないとまで思ったものですよ。(言い過ぎ)
柳美里の「女学生の友」は刺繍的な表紙でかわいらしいです。

文春文庫のフェアも着。今年の”読む女”は川上弘美ですよ、森の湖畔で読書ですよ。
荷物の中に入っていた手拭いを「お疲れ、汗拭いてね」用だと勘違いして、フェア出しをしたバイトたちに景気よくあげてしまう。(あげた時は親方気取りで気分良かったです。)後日、手拭いの用途が垂れ幕用だと知る。このご時世に無駄なモノなど送ってきませんわな。説明書はよく読まないと。

9/4(水)
角川新刊。池永陽の「水の恋」渋い装丁で「コンビニララバイ」と同じ作者とは思えませんぞ。戸梶圭太の「トカジャンゴ」も入荷、なんか、もう月刊トカジとかの雑誌でもいいんですけど、私。付録に特製便せんとか組み立て式の何かとかCDとかついて、時々全プレと称してTシャツを販売したりする「月刊トカジ」。欲しいなあ。

文庫は徳間の「木曜組曲」恩田陸、河出の「男の子女の子」鈴木清剛と共に、仕入れを失敗。朝の新刊送付データのチェック時にも、箱を開ける時にも、「なんで、こんなに少ないんですか?」と責められる。「八月はぼんやりしてたんだよう!」と言い訳にもならないことをボソボソ言いつつ、各社にすばやく電話。(しかし恩田陸の方はあっけなく玉砕、三日で完売。ここは一つ、出なかったことに……などと言って、あきれられる。後日の巻き返しを計るべくただ今画策中)

9/第一週諸々
・「経験娘」→ほぼ日ブックス「経験を盗む」のタイトル聞き違え
・サブカル担当のバイト君が沖縄に行ってる隙に最近ヤケに充実気味なマンガコーナーに「少年エスパーねじめ」(集英社、尾玉なみえ)を置いちゃえと正規のコミック売場に泥棒に行くも売切中。人気だにゃー。(情報操作的発言)

9/9(月)
吉田戦車の『吉田自転車』(講談社)発売に気づかないまま一ヶ月以上もたっていたことを知り愕然とした先週末。大量に追加も来ていたため、二階エッセイ場用にもらい、並べておいたところ、今朝のNHKラジオ「いきいき倶楽部」にゲスト出演とのこと。たまたま聞いてたバイト嬢からラジオの様子(「ベン・ハー」のテーマ曲などがかかったそう)を教えてもらい和む。ラジオ聞きたかったな。

9/11(水)
昨日、ようやく「海辺のカフカ」発売。売れ行きは超好調。
先週末必死の思いで片づけたバックヤードがあっと言う間に山積みに。この調子で今月末の棚卸しは無事にすむのだろうか? 不安。

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